世界一の脳外科医になるために。“神の手を持つ男”福島孝徳氏は何をしてきたのか?

 

〈福島〉
それからローマ大学のカントーレという教授、彼もいま83ですけど、手術をしています。

私自身、手術に関してはいまだにマスターチャンピオンですよ。目と手は全然若い人に負けない。だからあと10年は大丈夫じゃないかなと思っています。

これにはやっぱり天性の才能が少なからずあると思うんですけど、それ以上に膨大な数をやっています。だから、私はいつも言うんですけどね、人生は一に努力、二に努力、三に努力、全部努力なんですよ。他の人が信じられないような努力をして、経験を積む。

それから本当はいいコーチがいなきゃいけない。オリンピック選手を見ていても、皆が類い稀な技量を備えている中でどこに差が生まれるか。コーチですよ。

〈渡邉〉
なるほど。でも、福島先生にコーチはいないでしょう?

〈福島〉
いや、私は若い頃、ちょっと暇があれば、世界中の名医を訪ねて回りましたから。

いまでもそうです。毎日勉強しています。あの天才ミケランジェロが残した有名な言葉が「ラーニングアゲイン」。ルネサンス期に世界一の絵と彫刻を生み出していても、いまだに日に日に勉強しています、と言った。

だから日に日に勉強して、日に日に努力して、渡邉先生も同じだと思うんだけど、毎日仕事しています。休んでいられないですよ。私は土日と祭日も一切休まない。夏休み、冬休み、一切取らない。毎日働くのが趣味なんです。

(本記事は月刊『致知』2014年2月号 特集「一意専心」一部抜粋・編集したものです)

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