私が税理士試験に合格したときは、この4つが揃っていました。通っていた高校は偏差値30の受験さえすれば全員が合格する高校。大学は名前さえ書けば受かる夜間の定時制、しかも留年……(どちらも当時です)。
そんな私でも就職できたのは、バブル景気の真っ只中だったからです。しかし、その会社は今でいうブラック企業。小さな建設会社で経理に配属された私は、簿記の知識がゼロだったため、叱られ、怒鳴られる日々を過ごしていました。
この建設会社は財閥系の子会社ですが、社長はもちろん、取締役も親会社からの出向でした。残りの役員も県や市や警察のOBの天下り。加えて古い時代の建設会社だったため、目に見えない序列があり、いや、正直、目に見えて序列がありました。現場が1番、営業が2番、積算、企画、広報と続いて、最下位層に男性事務。
「誰のおかげで、飯が食えると思っているんだ!」
「事務はいいよな~。クーラーがあるところで仕事ができて」
「現場は朝から晩まで働いているんだから、お前も朝から晩まで会社にいるよ」
様々な心ない罵声を浴び続けました。
部署内でも怒鳴られ、プライドを散々傷つけられ、出世の道も閉ざされている三重苦の会社で毎日を過ごしていました。
工事部長が紛失した携帯電話を2kmの道のりを歩いて探し回ったり、後輩で年下の現場担当者にお茶を入れ続ける毎日。
休日に上司の犬の世話をしていたとき、心の中で何かが壊れました。そして退職を決意。
しかし、年功序列、終身雇用の時代、転職はまだまだネガティブなイメージがあり、独立しないと厳しい状況でした。
経理系の仕事で独立する方法といえば税理士。税理士にならないと人生は終わる。そんな背水の陣で挑みました。税理士になって会社を退職し、人生を逆転させるという明確な目標が生まれたのです。
そして「期限」を決め、「具体的数字」に落とし込む。来年の8月の税理士試験までに科目合格する。そのためには、月に問題集20ページ、過去問1回解き直し、模擬試験2回転など具体的な数字で計画を立て、偏差値30の全員合格の高校を卒業した私が税理士試験に合格することができたのです。
目標、理由、期限、具体的数字が、あなたの夢を実現させます!
そしてこの4つがあなたを動かす原動力になるのです。
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