暴露系YouTuberの元参議院議員、ガーシーこと東谷義和氏(常習的脅迫等で懲役3年、執行猶予5年)の“落語家転身プラン”に、落語界を含む内外から批判があがっています。いくら“話術を活かした仕事”と言っても、何のひねりもない違法暴露ネタしか取り柄がないガーシーに噺家なんてやれるわけがないでしょ、というのがその理由。その一方、芸能界では「性格俳優ならガーシーでもやれるかもね…」の声が?芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。
ガーシーこと東谷義和氏の“落語家転身”が批判される理由
今年3月、常習的脅迫等の罪で懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けた元参議院議員・ガーシーこと東谷義和氏が落語家に転身する気持ちがあると、あるトークイベントで話したそうです。
有罪判決後の東谷氏の身の振り方については様々な情報が囁かれていましたが、落語家とは…。
なんでも最もリスペクトしている人に今後の生き方を相談したところ、「話術を活かした落語家は?」と提案され「俺にしかできへんちゃうか。向いてるな」と思ったそうで、ある落語家からは「人の看板はいらない。自分で看板をあげて下さい。創作落語をやったら絶対いける」とも言われたそうです。
「人の看板は~」と言った落語家は、自分のところに弟子入りに来た東谷氏を断るために自分で看板をあげて下さいと言ったのかはわかりませんが、素人の私でも創作落語や高座に上がることがどんなに難しいことかは何となくわかります。
できっこないから無責任に言っただけなのかはわかりませんが、師匠に弟子入りし、脱いだ草履を整えるような地味な修行から始まる落語家に、東谷氏は本気でなろうという覚悟があるのでしょうか。
こんな時代ですから、落語界の慣習や仕来りを一切無視して、和服姿で高座のような場所から勝手に動画を配信でもすれば落語家のようには見えるでしょう。
でもそんな人物をもし“落語家”と呼ぶなら、250年にもなる日本の古典芸能に泥が塗られるような気がするのは私だけでしょうか…。
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ガーシーの迷惑系暴露ネタは“話術”にあらず
高座名は『東笑亭ガーシー』を考えたとも話す東谷氏は「ガチでやっている。茶化すつもりはない。本気で笑いを取りにいこうと思っているし、1回ちょっと見てほしい…」と意気揚々です。
暴露系YouTuberとしてあれだけ熱い支持を集めた人ですから、演目はやり玉に挙げる芸能人の面白暴露小噺でしょうし、そうなれば昔ながらの寄席には入り切れないほどのお客さんも集まるかもしれません。
もしかしたら扇子や手ぬぐい、着物の所作も知らぬまま、熱心な信者を弟子に取り、新流派を立ち上げることだって、これまでの彼の生き様を見れば十分考えられます…何だか恐ろしくなってきます。
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落語家転身なんて無理。ガーシーには“性格俳優”が向いている
私が耳にしたのは“東谷氏は判決後、役者に転身する”というウワサでした。
東谷氏のブレーンにいるプロデューサー的立場の人たちが、“性格俳優”として売り出そうとするのではないかという話です。
確かにドバイ発のSNSで実家が家宅捜索を受けた際、それまでとは打って変わった別人のような「もう頼むから、オカンだけは勘弁して下さい。本当に本当にお願いします」と号泣したシーンを“名演技”と皮肉まじりに指摘しているメディアもありました。
“涙が見えない”とか“号泣するなら逃げ回るな”とか…。
“情けない、マヌケな悪人”役という設定なら役作りをせずに出来るかもしれませんけれど…。
これから東谷氏がどう自分の人生を歩いていくのかはわかりません。1度しかない人生ですから、余裕があれば好きにしてもいいのかもしれませんけれど、他人様に迷惑をかけるのだけは止めていただきたい…そう思います。
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プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao
記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」
image by:NHK応援チャンネル, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons