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時間内にこなせる仕事量じゃないし残業手当ゼロ。爆発寸前な私のメンタルをどう処理すればいいの?

昇進したのはいいものの、手を抜くタイプの部下や新人と同一チームとなり仕事をすべて一人で抱え爆発寸前――。公認心理師の永藤かおるさんのもとに届いたのは、そんな悩みを抱えた30代の女性グループリーダーからのSOSでした。永藤さんはメルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』で、彼女に対して「爆発」を思い止まるよう助言。さらにその状況を解決すべく、まず取るべき行動をアドバイスしています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:いつか爆発しそう

いつか爆発しそう

Question

30代女性。仕事で最近昇進して、グループリーダーになりました。私を含めて5人、女性ばかりのチームです。それぞれ、個人的には悪い人ではないのですが、年長の二人A(40代半ば)とB(30代半ば)は仕事はできるけれどうまく手を抜くタイプ、C(20代後半)は一生懸命だけれどあまり要領を得ないタイプ、そしてもう一人のDは新人なので、一から仕事を教えています。

私もどちらかといえば不器用なのですが、自分なりに一生懸命仕事をして、やっとチームリーダーになりました。同期の中では遅い方です。

私個人の仕事の負担も大きいので、Dに仕事を教えるのをAかBに任せたくて頼むのですが、「体調がすぐれない」「子どもの予定が」といって声をかけるたびにいつも逃げられます。それが本当の理由ではないこともよくあります。Cは自分のことで精いっぱいで、下に仕事を教えられるような余裕はなさそうです。結果的に私が全部引き受けることになります。

昇進したことで残業手当などもなくなり、さらに時間内にこなせる仕事量ではないので、家に持ち帰って仕事をしています。休みの日はとにかく疲れを取りたくて寝てしまい、あっという間に過ぎていきます。友達と会うのもおっくうになっていますし、日曜の夜は本当に憂鬱になります。

このままではいつか爆発しそうです。

【永藤より愛をこめて】

爆発しちゃダメ──!!あなたが今爆発したとしたら、「爆発損」になっちゃうから――!!

ちょっとチームを構造的に見直す必要がありそうですね。

あなたにも上司がいるかと思うのですが、まずその人に現状を冷静に説明し、仕事量の分担に関して相談をしてみるのはいかがでしょうか?

その時に「私はこんなに大変なんですっ!」みたいな泣きの訴えをするのではなく、淡々と事実を落ち着いて説明する。仕事量のバランスを示せるものを準備する必要もあるかもしれません。

明らかに業務の偏りがあり、あなたに過大な負担がかかっていて、しかも今のままでは精神的なバランスを崩します。それをほかのメンバーは理解もしていませんね。今の状態であなたが爆発したら「え?なんで?自爆?私たち悪くないよねー」って言われて終了です。そんなの爆発損じゃないですか?

なので、構造そのものを見直し、「業務命令」として「あなたの仕事はこれで、いつまでに、これを達成を目指してほしい」をそれぞれに対して明確にするのです。

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「声をかけるたびに(AやBに)逃げられる」ということは、バタバタしているときに「ごめん、今これお願いできる?」みたいなその場しのぎ的な指示をしているのではないでしょうか?だからAもBもぬるっと逃げるのです。それを、もう少し明確に、その場ではなくてあらかじめやってもらう業務として指示しておけば逃げることはできません。

そしてCにもDにも成長してもらわなくてはなりません。いつまでもあなたが「世話しなきゃ」と思っていたら、彼女たちの職業的自立も阻んでしまいます。

爆発しそうなほど真面目に仕事に取り組んで、引き受けて、悩んできたあなたは立派です。でも爆発しちゃったら、それが全部パァになっちゃう。

30代のあなたがこれから学ぶのは、「一生懸命」に加えて「リーダーとしての適切な立ち回り」かもしれません。それは、「なんでもかんでも全部背負うこと」でも「部下を甘やかすこと」でも「爆発して自滅すること」でもなく、「部下が100パーセント以上のパフォーマンスを発揮できるような、働きがいを感じられる場づくり」ではないでしょうか。

応援してます。

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image by: Shutterstock.com

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有限会社ヒューマン・ギルド 取締役研修部長 公認心理師(登録番号: 29160号) 。日本アドラー・カウンセラー協会認定シニア・アドラー・カウンセラー。日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメント・ファシリテーター 平成元年 三菱電機株式会社 入社。その後、ビジネス誌編集、語学専門学校専任教師など、20年以上にわたるビジネス経験を経て、自身が働く中で壁に当たった際に出会ったアドラー心理学を修得。 現在、日本におけるアドラー心理学の一大拠点であるヒューマン・ギルドにて、アドラー心理学研修講師(企業・自治体、教育機関、個人等)、カウンセリング、書籍執筆などを担当。

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【著者】 永藤かおる 【月額】 ¥440/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 第2金曜日・第4金曜日

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