バランスを欠いた蓮舫氏の「オール東京」
しかし私には危惧があった。蓮舫候補は立憲民主党を離党して「オール東京」で闘うと宣言していた。ところが選挙戦の応援には枝野幸男議員、野田佳彦議員、長妻昭議員、さらにしばしば辻元清美議員が同席した。
聴衆は群をなして集まった。ところが演者は立憲民主党の議員ばかりだ。最終盤に向けて共産党の志位和夫議員、田村智子議員、小池晃議員たちも表立って応援に立った。
立憲民主党、共産党、社民党が支持しているのだから、それはいい。しかしあまりにもバランスに欠けると私は思った。
1967年から1975年まで続いた美濃部亮吉知事時代の選挙戦を思い出した。
「明るい民主都政を作る会」は青いバッジを陣営として作成、支援者には松本清張、渥美清、勝新太郎、高峰秀子、南田洋子さんたち、社会的に影響力がある著名な文化人が名前を連ねていた。蓮舫選挙にはそうした広がりが見えなかった。
SNS時代にあって「蓮舫に投票した」と書き込む俳優たちもいたが、街頭に出て訴える姿を見ることはできなかった。圧倒的な無党派層に浸透していくには何が必要だったのか。
NHKの出口調査で、2位になった石丸伸二候補が、無党派層では36ポイントと、小池候補や蓮舫候補をしのいだことが注目された。石丸スタイルに新しさはあったのか。
蓮舫氏に「帰れ」コール。石丸支持と思しき謎の100人集団
ある酒場の社長に「石丸って面白そうですね」と言われたのは、都知事選がはじまる前だった。
私にとってはその言説も知らず、広島にお騒がせ市長がいて、無謀にも都知事選に出るというぐらいの存在だった。
その演説を少しだけ聞いたのは八王子だった。
蓮舫陣営の街宣カーが移動したとき、「帰れ」コールを投げつける100人ほどの人たちが、石丸街宣の聴衆に入っていった。あの集団は何だったのだろうか。
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