「中国のスパイ」説も。ハリスが副大統領候補に指名したウォルツ候補の太すぎる“敵国”とのパイプ

Governor,Of,Minnesota,Tim,Walz,Speaks,At,The,Rally,In
 

8月6日、ハリス氏から副大統領候補に指名されたミネソタ州知事のティム・ウォルツ氏。知名度に関して言えばアメリカでもさして高いわけではないウォルツ氏ですが、中国では彼を応援する声が日増しに大きなものとなっていると伝えられています。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では国際政治経済学者の浜田和幸さんが、その理由を解説。さらにトランプ陣営から上がっている、ウォルツ氏に対する中国絡みの「誹謗中傷」の内容を紹介しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:ハリス大統領候補が選んだ副大統領候補に中国が注目する理由とは?

ハリス大統領候補が選んだ副大統領候補に中国が注目する理由とは?

ぶっちゃけ、アメリカの大統領選挙は残り100日を切る中で、復活を狙うトランプ前大統領と女性初を目指すハリス現副大統領の一騎打ち状態です。

また、共和党では副大統領候補にインド系の妻を持つバンス上院議員を選び、民主党は中国とのパイプが太いウォルツ・ミネソタ州知事を選出しました。

中でも注目を集めているのがウォルツ候補でしょう。

高校で歴史の教師をしながらアメリカン・フットボールのコーチもこなし、その後は陸軍の国境警備隊に所属し、更にはミネソタ州選出の下院議員を6期12年務めた後、州知事に選ばれたという、多彩な経歴の持ち主。

生まれはネブラスカ州のごく普通の労働者の家庭でした。

興味深いことに、地元の大学を卒業すると、ハーバード大学が企画する中国交流計画に参加し、1年間、中国の広東省にある高校でアメリカの歴史と英語を教えていたのです。

当時を振り返り、「あれほど素晴らしい経験をしたことはない」と述べ、「持ち帰れないほど多くのお土産と思い出を授かった。中国はアメリカにとって欠かせない国だ」と熱烈な中国礼賛ぶりを披露。

その後は米中間の青少年交流を専門とする団体を妻と共に設立し、毎年、多くのアメリカの若者を中国各地に派遣し、中国からも若い世代をアメリカ各地に受け入れる事業にまい進したのです。

実は、高校の教師をしていた奥さんと1994年6月4日に結婚すると、新婚旅行の行先は当然のごとく、中国でした。

なぜ、その日を選んだのかといえば、「天安門事件5周年を意識していた」とのこと。

そんな中国との絆があるためか、彼が副大統領候補に選出されるや、中国内では「ウォルツ候補をもっと知ろう!米中関係を改善するために応援しよう」という声が急速に高まっています。

ウォルツ氏は下院議員時代には議会に設置された中国問題検討委員会にも所属し、中国の人権問題や香港の民主化運動、天安門事件の真相究明にも積極的に関わってきました。

ハリス大統領候補はインド系であり、インドとのパイプは深いのですが、中国に対する関心やパイプはほとんどないため、中国内ではウォルツ候補への期待が高まっているわけです。

既に1,420万人の中国人がネット上でウォルツ候補の動静をフォローしている模様。

そのためか、トランプ陣営からは「あいつは中国の言いなりだ。中国のスパイかも知れない」と誹謗中傷のオンパレードが繰り出されています。

トランプ候補曰く「ウォルツの野郎がホワイトハウス入りすれば、メキシコ国境から中国人の犯罪者や違法移民が大挙して入ってくる。そんなことは許せない」。

相変わらずの「根拠なきトランプ砲」をぶっ放しています。

ぶっちゃけ、もっと冷静な議論をぶつけ合ってて欲しいものです。

この記事の著者・浜田和幸さんのメルマガ

購読はこちら

image by: lev radin / Shutterstock.com

浜田かずゆきこの著者の記事一覧

かつて人気を博したニッポン放送オールナイトニッポンの「世界びっくりニュース」を彷彿とさせるべく、フランクな語り口で、知られざる内外の『ぶっちゃけ話』をお届け致します。

例えば…
「爆買い」中国人観光客を上回る金額を日本で消費している国がある!?
「発明王エジソン」の遺言を頼りに、無料の無限エネルギー開発に成功した企業がある!?
「不動産王」にしてアメリカ大統領候補トランプ氏に、北方領土問題解決の秘策あり!?
…その他耳よりの情報が満載!

有料メルマガ好評配信中

  メルマガを購読してみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』 』

【著者】 浜田かずゆき 【月額】 ¥550/月(税込) 【発行周期】 毎月 第1〜第4金曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • 「中国のスパイ」説も。ハリスが副大統領候補に指名したウォルツ候補の太すぎる“敵国”とのパイプ
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け