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偽造免許で契約されたスマホが転売される被害も。身分証の“詐欺悪用”を防ぐ手立てはあるのか

落としてしまった財布にキャッシュカードやクレジットカードが入っていた場合、銀行やカード会社に連絡を入れるのは初手中の初手。そこにもし免許証やマイナンバーカードといった身分証が含まれていたとしたら、もうひとつ打つべき手があるようです。今回のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』では著者の多田さんが、スマホを不正に契約し転売する犯罪グループの手口を詳しく解説するとともに、身分証を紛失した際に連絡を入れておくべき3つの機関を紹介しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:今の時代、マンナンバーカード、運転免許証などの身分証の詐欺などへの悪用が懸念されます。紛失した時の対策は? 旧統一教会にはノルマがない?「いいえ。ありました」(2)

今の時代、マンナンバーカード、運転免許証などの身分証の詐欺などへの悪用が懸念されます。紛失した時の対策は?

8月21日にミヤネ屋(読売テレビ)に出演して、副業詐欺やキャッシュカードを詐取する闇バイトがSNSなどを通じて、身近に潜んでいることについて解説しました。

その中でも取り上げられましたが、すでに起訴されている犯罪グループの男らは、偽造免許証400枚を使って、スマホを契約、転売して9,500万円の利益を得ていました。

また俳優が落とし物をした後に、携帯契約が約20台も契約されていたことも明らかになっており、私たちの身分証の悪用が止まりません。防ぐ手段について考えます。

1.偽造免許証を使ってスマホを不正に契約、転売するのは、犯罪グループの常とう手段

番組内でも、宮根さんからの質問をうけて答えましたが、偽造された免許証というものは、すべてが嘘の情報で作られるものではありません。

そこに載る名前、生年月日は本当で、顔写真や住所が虚偽で作られています。つまり、本当の個人情報のなかに、嘘を忍ばせるゆえに、それにより詐欺行為が見抜きづらくなるわけです。

不正に取得したクレジットカード情報と、偽造の免許証を使って、スマホを転売して9,500万の利益を得ていた犯罪グループも、そうした手口を使っていたと考えられています。

なぜ、氏名や生年月日は本物を使うのでしょうか。スマホを携帯会社で契約する際のことを例に出させばわかりやすいかと思います。

お店は契約者の情報を信用情報機関に照会をします。もし過去に携帯料金の未納があったり、ブラックリストに載っていれば、契約はできないことになります。そうした照会をしますので、身分を照会するところは、本物である必要があります。

ただし、不正に取得したクレジットカードを使い、ネットを通じて、契約したスマホの契約する時には、免許証の住所に送らせることになりますので、ここには、詐欺グループが使う、足がつきにくい空きアパートの部屋などの虚偽の住所を記載します。

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2.どうやって20台ものスマホを契約したのか?

俳優の岸洋佑さんがTwitterで「落とし物をしたら、スマホが約20台も契約されていた」ことを明らかにしましたが、ここから私たちが、財布を落とした時に、気をつけなくてはならないことが学べます。

財布の紛失に気づけば、警察署や交番に行き遺失届を出して、その中にクレジットカードが入っていれば、それを止めるためにカード会社に連絡をすると思います。しかし詐欺が横行している今は、それだけでは足りません。財布のなかにマイナンバーカードや運転免許証などの身分証が入っていた場合、悪用される可能性があるからです。

俳優さんも、運転免許証が悪用されて、大量のスマホが契約されたと思われます。当然、その送り先は俳優さんの自宅になるわけですが、それを受け取る手段は、詐欺グループ内ではマニュアル化されています。

詐欺グループは、郵便ポストのなかに入っている不在票を手や棒などを使って取り出します。そして本人になりすまして連絡して、時間指定して再配達をさせます。当然、本人の自宅には入れませんから、詐欺グループの人間は、外で宅配業者を待ち伏せして、本人の身分証を見せて商品を受け取ることになります。

この時、できるだけ本人が不在時を狙いますので、在宅時間なども把握されていた可能性が高いと考えています。また、免許証の顔写真については、顔の似た人を用意するか、偽造免許証になりすます人物の顔写真を貼り付けていたはずです。

俳優さんは「郵便ポストの中身が近頃空っぽだった」といっていますが、そうした兆候があれば、身分証が悪用されている可能性を考える必要があります。

3.身分証を落とした時に、やっておきたい信用情報機関への申告

これまで見てきたように、身分証をなくしてしまうと、それが悪用されて、スマホやクレジットカードなどの不正な契約がなされる恐れがあります。それを止めるために、私たちは何をしたら、よいのでしょうか。それは、信用情報機関に郵送やインターネットを通じて「紛失したことを申告しておく」ことです。

ただし国内のどの会社がどこの信用情報機関を利用しているかはわかりません。ちなみに、ソフトバンクは(株)日本信用情報機構(JICC)を利用していますが、他の携帯会社は違います。

手間にはなりますが(株)日本信用情報機構(JICC)、(株)シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センターの3社に連絡しておく必要があります。

各社ともHPで説明していますが、申告をしたからといって、必ず悪用が防げるわけではありません。そのリスクが低くなるということは心に留め置いてください。――(この記事はメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』2024年8月28日号の一部抜粋です。続きは、ご登録の上お楽しみください、初月無料です)

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悪徳業者などへの潜入取材した数は100ヶ所以上。数々の現場経験と被害者への聞き取り取材から、詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストとして一線で活動し、多数のテレビ・ラジオに出演している。現在はヤフーニュースのオーサ・公式コメンテーターとして、コメントやニュース記事を執筆中。消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」(2017年~18年)の委員も務めた。雑誌「ダカーポ」にて、悪徳商法に誘われたらついていく連載を担当。それをまとめた著書「キャッチセールス潜入ルポ~ついていったらこうなった」(彩図社)はフジテレビで番組化され、ゴールデン枠の特番で第8弾まで放送された。新刊11月予定「信じてみたら、ダマされる。~元統一教会信者だから書けたマインドコントロールの手口」(清談社清談社Publico)

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【著者】 多田文明 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 14日・28日

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