医療大乱のなかにある韓国で、救急救命室に勤務する医師たちの実名や個人情報が含まれた「ブラックリスト」がオンライン上に公開されました。無料メルマガ『キムチパワー』の著者で韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者は、この事件に関して詳しい情報を紹介しています。
救急救命室のブラックリスト
救急救命室の緊急事態でバーンアウトに耐えながら耐えている救急救命室の医師たちの実名を公開した「ブラックリスト」が出てきて国民の公憤を買っている。救急救命室の危機警報が鳴り、重症患者が救急救命室の「たらい回し」によって死亡する事態まで起きている現実の中で、医師倫理を破った反生命体・反社会的の行動の極致だ。
医師たちが作ったと推定されるインターネットサイト「ありがたい医師」に7日「応急室の賦役」という掲示物が上がってきた。
ここには187か所の修練病院の救急室で勤務中の専門医・専攻医の人員集計と一部の勤務者の実名が公開された。一番上には「軍服務中にも応急医療を守ってくださる先生ありがとうございます」と皮肉って応急室派遣軍医官名簿を公開した。そのため、1次的に救急室に配置された軍医15人のうち、一部は配置を拒否し、対人恐怖症まで発症しているという。
2月の専攻離脱後、ブラックリスト問題は繰り返されてきた。3月、医師オンラインコミュニティに病院に残った専攻医の実名を盛り込んだ「真の医師リスト」(皮肉でこんなタイトルをつけている)が共有され、その後も「復帰専攻医の情報提供を受ける」という文章に個人の身元が含まれたコメントが上がってきた。
これは予・本科6年に専攻医期間まで10年以上関係が続く医師社会特有の閉鎖性のためだ。内部で自省の声もあるが、裏切り者と烙印を押されることを恐れて前に進めないのだ。結局、専攻医の復帰を妨害し、医療現場を最悪なものに追い込み、自分たちに有利な状況を作るという集団的利己主義だ。
これは政界で与・野・議・政協議体を作って出口を設けようとしている渾身の努力に冷水を浴びせる処置と言わざるを得ない。
保健福祉部は9日、「救急救命室の医師の実名を悪意的に公開することは、患者の生命を守る人々を萎縮させる容認できない犯罪」とし、警察に捜査を依頼したと発表した。
救急救命室のブラックリストは救急救命室の危機を最悪に追い込む反生命・反倫理犯罪だ。もしリストを作った人たちが医師(その可能性はほぼ100%)なら、免許剥奪を含めて強力に処罰しなければならない。
医療現場に戻ろうとする心ある専攻医も多いのだろうが、こういう「ブラックリスト攻撃」があるために現場に戻れないでいる医師の卵たちも多いのだ。医師でありながらこのような反生命・反倫理犯罪を犯すとは。開いた口が塞がらない。自分の稼ぎ(儲け)がn分の一になるからという極めて利己的な理由で政府の医療政策に反対している反社会的医師ら。それでも人間なのかとKBSのマイクを握って怒鳴りたい心境だ。[文化日報ベース]
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