かつて世界を席巻した日本が「衰退途上国」と揶揄されるようになった原因

 

紅一点主義における女性は「ガラスのショーケース」に入れられる存在だったり、男社会への同化を強いられてきました。

今ではさすがに言えなくなりましたが、「スカートをはいたおっさん」になるしか紅一点の女性は生き残る道がなかった。ジェンダー問題を進展させるどころか、後退させてしまったのが、今の日本社会です。

今年のノーベル経済学賞を受賞した米マサチューセッツ工科大(MIT)のダロン・アセモグル教授らは、政治制度と国家の繁栄について分析を行いましたがその結果はまるで「日本!」です。

アセモグル教授の著書『国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源』を読むと、かつて世界を席巻した日本が、衰退途上国と揶揄されるようになった原因がとてもよくわかります。

国が繁栄し、国民の生活が豊かになるには、開かれた多元的な政治体制が不可欠であると。

政治家などの公職に就くための平等な競争が担保され、開かれた多元的な政治体制が存在する時。つまり、新しい政党や政治リーダーが生まれやすい環境が必要なのです。

今回の与党過半数割れや、女性議員が増えたことが「繁栄」のきっかけになればいいのですが、「機会」は「力」を加えない限り、広がりません。

その力とは、人の知恵と勇気です。変わろう!という意思です。

果たして、若者や女性の政治家が増える環境を、今の政治は作っているのか。

この先作ろうとしているのか。

この先、誰が国のトップになるかはわかりません。

すでに色々な駆け引きが報じられていますが、「私」たちの大切な1票を権力闘争でないがしろにして欲しくないです。

「山が動いた」との名言を吐いたのは、与野党逆転を果たす躍進を遂げた社会党の土井たか子委員長です。あの頃の日本の政治には、まだ、なんとか変わろうとしていた。

そういう熱気が社会にあったように思います。

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