2013年のNHK『あまちゃん』で大ブレイクし、「じぇじぇじぇ」の流行語で一世を風靡した能年玲奈。2016年以降は事務所独立をめぐるゴタゴタで干されていましたが、いよいよ「のん」としてこの春、地上波連続ドラマに復帰するとの週刊誌報道がありました。「実際に自分の目で見るまでは半信半疑」という芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが、女優・のんの過去と現在地を解説します。
「のん」が地上波ドラマ復帰か?能年玲奈 独立・改名騒動から早9年目
2006年にモデルとしてデビューし、2013年前期の、朝の連続テレビ小説『あまちゃん』で大ブレイクした能年玲奈が、2016年にそれまでの所属事務所から独立し、“のん”に改名してから9年目を迎えようとしています。
改名前から、独立トラブルで地上波の連続ドラマから完全に“締め出されていた”のんですが、この4月期の日曜劇場『キャスター』(TBS)で実に12年ぶりに復帰することを女性セブンが報じていました。
同誌によれば、すでに収録シーンは撮影済み。その役柄は2014年、捏造した研究結果について「(万能細胞である)STAP細胞はあります!」と堂々と言い放ち、のちにその嘘がバレて論文を撤回、学位も取り消された“リケジョの星”事件を彷彿とさせる女性研究員を演じているそうです。
実は、のんの地上波連ドラ復帰の噂は、2023年7月期の日曜劇場『VIVANT』の時もありました。
放送開始前、赤坂界隈からは盛んに“のん、復帰!”がリークされ、同ドラマ演出家でTBS上席役員待遇の福澤克雄氏が直々にアプローチした…なんて噂も流れたぐらいです。
結局これは噂の域を出ることはなく、『VIVANT』のサプライズ・ゲストは『嵐』二宮和也だけで終わったのですが、そんな“前科”があるだけに、私は実際に正式発表されるか、自分の目で放送を見るまでは、今のところ話半分に聞いていようか…という状態です。
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「のん応援団」vs.「のんアンチ」芸能記者の評価は二分
CMこそ流れてはいましたが、のんが地上波テレビから消えて12年…芸能記者の声も完全に2つに分かれます。
ひとつは“もう十分に制裁は受けた”。
もうひとつは“芸能活動のいろはを教え、育ててくれた所属事務所を裏切った罪に時効はない”です。
前者が、のんの女優としての才能を評価し、地上波連ドラ出演を強く望んでいる一方、後者は“特にのんじゃなきゃダメというほどのキャラクターはなく、替わりは山ほどいる”という認識のようです。
また、出演者をキャスティングする側としては、爆弾を抱えた女優を作品に起用することで、番組スポンサーや周辺からどんな反発が生まれるのか非常に不安だ、というのが現状のようです。
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なぜ芸能事務所と所属タレントはお互いに歩み寄れないのか?
独立による芸名使用のトラブルで私が真っ先に思い出すのは、1990年公開の『稲村ジェーン』主演、加勢大周です。
“茅ヶ崎を生きる、何もない青春を描きたい”と、監督と音楽を担当したのはサザンオールスターズの桑田佳祐。興行収入は18億円を超え、同タイトルのサウンドトラックもミリオンセラーとなった作品です。
加勢をめぐる芸名使用騒動は、私にタレントと、マネージメント側との微妙な距離感の難しさを教えてくれました。
ギャラの未払いを理由に独立を仕掛ける加勢側の取材をしていて、「お前はいったい、どっちの味方なんだ!」と恫喝されたときのシチュエーションを、私は今でも忘れることができません。
この恫喝スタッフは元オリンピアンでしたから、彼が敵と見なしていた“事務所側です…”なんて冗談半分にでも口にしたら、私はボコボコにされていたでしょうね。
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のんは『新幹線大爆破』でどんなサプライズを見せるか?
この手のトラブルはいつの時代も、タレント側が“労働に見合った報酬の支払い”を求め、芸能事務所側が“営業努力に対する適正な理解と評価”を求めるというのがお決まりの争点なのですが、のんに関しては“共倒れ”というのが私の正直な感想です。
同じトラブルが起きるたび、“両者とも、もう少し冷静になって、一息ついてから対応すればいいのに…”と思う私です。
まぁ当事者ではないので、何でも好きに言えますけれど…。
それまでの芸名が使えても、使えなくなってしまっても、タレントと事務所にダメージが残るのは必然です。
のんにしてみれば、年齢にして20歳台…若き才能が花開いている数年が無駄になってしまったのは実にもったいない…単純にそう思います。
4月23日からは、Netflixで配信が始まる『新幹線大爆破』で、以前千葉真一さんが演じた運転士役を演じるというのん。
「じぇじぇじぇ!」を演じた20歳の少女が、紆余曲折を経てどんな女優になっているのか。
同誌によると、“物語の中盤頃に本作最大ともいえるサプライズ”…のんが登場するといいます。今から楽しみでなりません…。
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プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao