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トヨタは好調、ホンダは苦戦。なぜ中国市場で日本の2社は差がついてしまったのか?

急成長を遂げている中国のHEV市場の新車販売市場。その中心にいたのはトヨタでした。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』では、中国HEV市場のトヨタの動きと相反するように苦戦するホンダを比較・分析しています。

中国HEV市場が急成長で24年は初の年間100万台、トヨタが圧倒的。中国苦戦の主因は?

中国のHEV(PHEV除く)の新車販売市場が急成長を遂げている。

2024年の新車販売台数は前年比12%増となり、史上初めて100万台を超えた。

中国の自動車市場と言えば、テスラ等がけん引するBEV、BYDによるPHEV、理想(Lixiang)やファーウェイが強いREEV等、新エネルギー車(NEV)が話題になりやすい。

しかし、その分、HEVが確実に成長を遂げていることは軽視されがち。

その中心はやはりトヨタだった。

5年間で3倍に成長

手元に残るデータによれば、中国HEV新車販売台数は2019年、37万台だった。

それがこの5年ほどで3倍に成長していることになる。

成長率は前年比で2020年が44%、2021年が33%、2022年が22%と、力強い成長を遂げている。

2023年には3%にとどまるが、2024年は再び二桁成長を記録した。

この成長をけん引したのがトヨタだ。

トヨタは4倍以上に

トヨタの中国におけるHEV販売台数は2019年、17万台程度で、HEV市場のシェアは46%。

しかしこれが2024年には4倍以上となる70万台を記録、そのシェアは実に71%に達した。

成長率も2020年こそ37%にとどまり(?)、全体平均を下回ったが、それ以降はすべて全体成長を上回った。

2021年は59%、2022年は34%、2023年は4%、2024年は実に37%に達した。

レクサスもここまで急激ではないが、相応の成長を遂げている。

ホンダは大苦戦

これらと比べ、近年厳しいのがホンダだ。

ホンダの中国におけるHEV販売は2019年、12万台に達していた。

その基礎のもと、2020年は実に62%成長を遂げ、20万台近くとなった。

同年のトヨタのHEV販売が23万台だからかなり肉薄したことになる。

2021年はさらに17%成長して23万台に達し、これが今に至るまでピーク。

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ホンダは近年半減

同年のトヨタの販売台数が37万台に達しているから、成長したものの引き離された感がある。

これ以降マイナス成長を続け、2022年は20万台弱、2023年は18万台弱となんとか踏みとどまってきたが、2024年はとうとう10万台を割れた。

両者の明暗要因

このトヨタとホンダの明暗の要因は複数ある。

まず、中国NEV時代、BEVへの傾倒に両者に温度差を感じる。

ホンダは中国においてBEVに傾倒し、トヨタはBEVに力を入れなかったわけではないが、HEVのラインナップを淡々と増やし拡張してきた。

カムリvsアコード

カムリは早々にHEVを導入、2025年グレードからはHEVのみになっている。一方のアコードは引き続きガソリンだけだ。

それにより、トヨタのHEVは急激なコスト削減が可能となり、それは車体価格に反映される。一方のホンダのHEVには価格競争力が伴わなくなった。

販売価格はカムリHEVでも実質的に15万元程度、アコードもガソリン車ながらほとんど変わらない価格、という状況だ。

中国苦戦の主因?

両者の中国販売はそろって厳しいのは間違いないが、その厳しさは両者では異質であり、ホンダは本当の意味で待ったなし。

NEVへの対応の失敗がよく言われるが、HEVの実質的な軽視も大きな要因になっている。

一方のトヨタはまだ小さめなマイナス成長にとどまっているのは、このHEVの成功が大きいようだ。

出典: https://auto.gasgoo.com/news/202504/2I70422011C108.shtml

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