MAG2 NEWS MENU

また“安倍晋三方式”を導入?無能な自民党政権が「15歳未満の子ども」に“外国人”をサラッと含めた手前勝手な理由

少子化が深刻な社会問題となって久しい我が国。今月4日に発表された「15歳未満の子どもの数」も過去最少となりましたが、今年からその数に日本で暮らす外国人の子どもも加えられた事実をご存知でしょうか。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、外国人の子どももカウントされることになった裏事情を解説。かような「水増し」で国民の目を欺く自民党政権を厳しく批判しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:自民党の水増し政策

ここにも安倍晋三氏の“負の遺産”。またも露呈した自民党お得意の「数字の操作」

総務省は5月4日、「こどもの日」を前に、今年4月1日時点での外国人を含む15歳未満の子どもの数が前年より35万人少ない1,366万人で、44年連続で減少し、過去最少を更新したと発表しました。これは毎年恒例で、去年は「前年より33万人少ない1,401万人で43年連続の減少」、その前は「前年より33万人少ない1,435万人で42年連続の減少」、その前は「前年より25万人少ない1,465万人で41年連続の減少」…と、お約束のように発表されて来ました。

ただ、今年の発表が一味違っていたのは「外国人を含む15歳未満の子どもの数」という点です。これまでは「日本の子どもの数」だったのに、今年からは日本在住の外国人の子どもの数も加えるようになったのです。もしかすると、自民党の統一教会議員たちが鳴り物入りで「こども家庭庁」を設立したのに、子どもの数が減り続けていると都合が悪いので、少しでも水増しするために、関係者や取材陣まで入場者数にカウントする「大阪万博方式」を導入したのでしょうか?

ま、歴代の自民党政権に、本気で子どもの数を増やそう、本気で少子化に歯止めをかけようという気持ちなど1ミリもないことは明白ですが、選挙が近づくたびに、こうした目先のゴマカシで取り繕う手口には、開いた口がふさがりません。そして、自民党が「そんなつもりなど毛頭ない」と言うのであれば、この「子どもの数が44年連続で減少」という確固たる事実は、自民党政権の無能さの象徴でしかありません。

あたしが生まれた1972年は「第2次ベビーブーム」で、年間の出生数が212万人でした。しかし、その後、出生数が減少傾向に転じても、当時の田中角栄も、その次の三木武夫も、その次の福田赳夫も、その次の大平正芳も、何の少子化対策も行なわなかったため、その次の鈴木善幸が首相となった1980年には、日本の出生数は159万人にまで減少してしまいました。わずか8年間で年間の出生数が50万人以上、25%も減少したのです。

そして、次の中曽根康弘も、その次の竹下登も何もしなかったどころか、竹下登に至っては消費税を導入して国民の負担を増やすという真逆の政策を強行したため、出生数の減少がさらに加速し始めたのです。その結果、歴代最悪の安倍晋三が首相の座に返り咲いて2年目の2014年、日本の出生数はとうとう100万人を割り込んで99万人となってしまったのです。そして、7年8カ月に及んだ第2次安倍政権でも出生数は毎年減り続け、2019年には過去最少を記録したのです。

この記事の著者・きっこさんのメルマガ

初月無料で読む

外国人の子の数を加えなければならないやむなき事情

当時、安倍晋三は、少子化対策の一環として「幼児教育無償化」を掲げました。ま、ここまではいいでしょう。しかし、政策で重要なのは財源です。たとえば、防衛予算を1%削るだけで、全国の小中学校の給食を無償化することができます。これなら誰も困りません。しかし、安倍晋三は「消費税を増税して、その増収分を幼児教育無償化など社会保障の財源に充てる」などと言い出したのです。

これには全国の子育て世帯からも疑問の声が巻き起こりました。そもそも「幼児教育無償化」とは、子育て世帯への負担軽減が目的なのに、子どものいない世帯より日々の消費が多い子育て世帯がより大きなダメージを受ける消費税増税が財源だなんて、まるで絵に描いたような本末転倒政策です。逆に言えば、消費税増税の言い訳に少子化対策を利用したような愚策でした。

その結果、2014年に8%、2019年に10%と続けて行なわれた消費税増税によって、全国の世帯の可処分所得は大きく減少し、子育てに対する経済的負担も増大したのです。消費税増税は特に低所得者層への影響が大きく、ひとり親世帯で所得が低かったシングルマザー世帯では、45%、2人に1人が貧困家庭となってしまいました。

経済の専門家の多くは、安倍政権下で強行された二度の消費税増税が少子化を加速させた最大の原因だと指摘していますが、その指摘を裏づけするかのように、次の菅政権でも、次の岸田政権でも、日本の出生数と出生率は減少し続けました。そして、厚生労働省が今年2月末に発表した2024年の「外国人を含む国内の出生数」は、過去最少の72万988人となってしまったのです。

ここでも「外国人を含む」が気になりますが、自民党政権には、どうしても外国人を含まなきゃならない事情があったのです。2024年の「日本国内での外国人の出生数」は3万人超なので、これを足して水増ししないと、「日本人だけの出生数」では70万人を割り込んでしまうからです。

これまで政府が参考にして来た「日本の出生数の推移と今後の試算」では、年間の出生数が70万人を割り込むのは「2046年」と試算されていました。しかし、安倍政権下で強行された二度の消費税増税で一気に加速し始めた出生数の大幅減少によって、試算より20年以上も早く70万人割れをしてしまったのです。

しかし、ただでさえ自民党にとって厳しいであろう今夏の参院選を目前に控えた状況で「70万人割れしちゃいました~!テヘペロ♪」などとは口が裂けても言えません。すべては安倍晋三の悪政が原因であり、その後の菅義偉と岸田文雄の無策が追い打ちを掛けた結果なのに、そんなことまで自分の責任にされるのは石破茂だってたまりません。

この記事の著者・きっこさんのメルマガ

初月無料で読む

国民の血液を吸い続けるための方便にすぎぬ自民党の政策

でも、すでに「総理大臣に、俺はなる!」という人生の最終目標を叶えてしまい、あとはシレッとフェードアウトするタイミングを見計らっている石破茂と違って、参院選の結果が明日からの裏金づくりに大きく作用する自民党の安倍派議員たちは真剣です。もしも参議院まで過半数を割ってしまったら、もはや手足をもがれたダルマ状態、大好物の企業献金までも減ってしまうのです。そのため、この時期に、自民党にとってマイナスとなる情報はなるべく出したくない。それが安倍派議員の最優先課題なのです。

それなのに、嗚呼それなのに、それなのに…というわけで、せっかく少子化対策の「やってます感」を出すために、旧統一教会と手を組んで「こども家庭庁」まで作り、集客力のある三原じゅん子を担当大臣に据えたのに、肝心の出生数が「70万人割れ」では、これまでの演出がすべて水の泡になってしまいます。そこで安倍派議員たちは、親分だった安倍晋三直伝の「数字の操作」で、外国人の出生数で水増しして「70万人割れ」を阻止したのです。

そもそもの話、総務省や厚生労働省が出生数を発表するようになった背景には「少子化が進むと将来的に社会保障制度の基盤が揺らぐ」という問題がありました。そして、その先には、日本という国家そのものが揺らいでしまうという大問題があったのです。日本が国家として世界から認められているのは「領土」「国民」「統治機構」という国家の三原則を有しているからです。いくら「領土」と「統治機構」があっても「国民」がいなくなったら、日本は国家ではなくなってしまうのです。

そのために、将来の日本を支える「国民」の数、つまりは「子ども」の数が重要なのに、そこに「日本国民ではない外国人」の数まで加えて水増しするなんて、これほど意味不明なイカサマは前代未聞でしょう。結局は「将来的に日本がどうなろうが知ったこっちゃない」「今だけ自分だけ裏金でウハウハできればそれでいい」という安倍派を始めとした自民党議員たちが、安倍晋三という希代の国賊の意志を受け継いで、あたしたち日本国民の血液をチューチューと吸い続けて行くための方便、それが自民党の「政策」だったのです。

(『きっこのメルマガ』2025年5月7日号より一部抜粋・文中敬称略)

★『きっこのメルマガ』を2025年5月中にお試し購読スタートすると、5月分の全コンテンツを無料(0円)でお読みいただけます。
¥550/月(税込)初月無料 毎月第1~第4水曜日配信

この記事の著者・きっこさんのメルマガ

初月無料で読む

きっこさんの最近の記事

【関連】日本人が過去最大89万8000人減少の衝撃。それでも「トランプ関税」しか気にならぬ「楽しい日本」の絶望
【関連】政治家は日本の教育で何が「大問題」なのかを本当に理解しているのか?「高校無償化」政策の“功と罪”を考える
【関連】ホンマでっか池田清彦教授が問う。本当に「少子化は悪」なのだろうか?

初月無料購読ですぐ読める! 5月配信済みバックナンバー

  • 第309号 自民党の水増し政策/尾ひれのついた聖地巡礼/余花/ごましお慕情(5/7)
  • 【号外】 母子草(5/6)

いますぐ初月無料購読!

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込550円)。

2025年4月配信分
  • 第308号 令和の米騒動、着地点は?/困った顔のクロノス/朝桜・夕桜・夜桜/ガラパゴスBBAの恋愛事情(4/23)
  • 第307号 自民とトランプをつなぐ旧統一教会/ナマケモノの燃費/夜桜/ドラゴンボールZの真実(4/16)
  • 第306号 ドナルド・トランプの取扱説明書/マニュアル車のススメ/夕桜/きっこの脳内東名阪(4/9)
  • 第305号 フジテレビのセクハラ体質/真作と贋作の間で/朝桜/渋谷のガメラ(4/2)

2025年4月のバックナンバーを購入する

2025年3月配信分
  • 第304号 終わらない沖縄戦/夢見る魚たち/残雪 特別編/権力を買収する男(3/26)
  • 第303号 杉田水脈の公認は公約違反/江戸の居酒屋/続・残雪/時代錯誤の鎖国政策(3/19)
  • 第302号 誰も責任を取らない国/ビール瓶に菜の花を/残雪/消えたクローゼットの犬(3/12)
  • 第301号 ホワイトハウスの決闘/俺たちに明日はない/続・栄螺/ブックレビュー(3/5)

2025年3月のバックナンバーを購入する

2025年2月配信分
  • 第300号 赤字必至の大阪万博/三百歳の人魚/栄螺/GO!GO!しまなみ海道(2/26)
  • 第299号 大きな幼稚園児/納豆が消えた日/春キャベツ/ウォーキングのススメ(2/19)
  • 第298号 ブラジャーの日/山焼/読書のススメ(2/12)
  • 第297号 トランプ支持者という残念な人たち/犀川の星/春遅し/レモンサワーの夜(2/5)

2025年2月のバックナンバーを購入する

image by: Achmad Sholachuddin / Shutterstock.com

きっここの著者の記事一覧

「きっこのブログ」のメルマガ版です。ブログと同様に、政治や芸能から文学やお料理、流行やファッションから日々の出来事まで、多岐にわたって綴って行きますが、よりディープに攻めて行こうと思っています。

有料メルマガ好評配信中

    

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 きっこのメルマガ 』

【著者】 きっこ 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎月 第1水曜日・第2水曜日・第3水曜日・第4水曜日予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け