結婚生活が長くなるにつれて、夫婦の関係が変化していくのは自然なことです。しかし、心の距離が広がってしまったり、感情的な衝突に繋がってしまったりするとどう向き合えばいいかわからなくなりますよね。世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんは、今回のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』に送られてきた夫婦関係のお悩みに真摯に回答しています。
結婚6年、妻との関係が非常に悪化しています。
Question
結婚6年、妻との関係が非常に悪化しています。最初1、2年はいい感じだったのですが、すっかりおかしくなってしまいました。何を言っても突っかかってきて耐えられません。「どうせ私のことなんかいなくなればいいと思ってるんでしょ」と切れてしまいます。何も言わないでいると「どうして無視するの?私のことなんか、どうでもいいと思ってるんでしょ」というので困り果てています。私がどうしたらいいかわからず黙っていると「どうして何も考えを話してくれないの?」と非難しますが、少しでも何か言うと「だからあなたはひどいのよ。だいたいいつも~~」とさらに非難されるので、どうにもなりません。私にできることはあるのでしょうか。いつまでこの状況が続くのでしょうか。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございます。お気持ち、痛いほど察します。
正直、どうしようもないですね。多分ですが、結婚数年後には、相談者さんが仕事にかまけて奥様への関心を失い、ないがしろにされたのではと思います。悪意は全くなくても、「私と仕事とどっちが大切なの?」という例のあれです。
奥様からの危険信号は多分結婚当初から出ていたはずで、それを全部見逃してこられたのではないでしょうか。
今からできることは、奥様の話を全部受けとめることです。どう非難されても、どう文句言われても、全部聞いてください。いっさいの意見、感想、コメントはできません。火に油を注ぐだけになってしまいます。
よくわからなくて質問するのもだめです。質問は攻撃あるいは皮肉、あるいは嫌味と取られます。上から目線だと言われることも多いです。
なるべく「そうなんだね」「そうだったんだね」と言ってください。それであれば、共感しなくても(共感できなくても)、一応受けとめた形にはできます。
「そうだね」「そうだよね」は共感しないときには言いづらいと思いますので、「そうなんだね」「そうだったんだね」で通すのがよいと思います。文字にすると微妙な違いですが、後者なら奥様の言われる理不尽なことに共感できなくてもまだ言えるのではと思います。
また、奥様の発言がすべて引っかけ質問になっていますので、決してそれに乗らないことです。試し行動を続けてきます。「どんなに言ってもあなたは私を見捨てないよね?」ということを確認し続けてきます。
大変にうざいことですが、奥様の魂の叫びとご理解ください。
半年くらい、徹底してアクティブリスニングだけを続けていれば、安心して試し行動は減っていくはずです。そのとき、奥様の安全基地になっていきます。
それまで、ご自身の蒔いた種、ということで心を無にして聞き続けてあげてください。
我慢するのではありません。受けとめるだけです。ひどいことを言われたら、「試し行動」すなわち「愛情の確認」をしているだけだと思いましょう。
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