日本中で相次ぐ「女子大」の閉鎖や募集停止。しかしその役割が極めて大きいと断言できる理由

 

日本社会では活躍する女性がまだまだ少ない。

根強い男女の役割分業の文化が未だに男性と女性が水平な関係で構成されている社会にはなっていない。

内閣府の「女性版骨太の方針」2024年度版は女性活躍・男女共同参画の推進に向けた「人材の育成」を強調している。

方針では「企業等における女性活躍の一層の推進」、「女性の所得向上・経済的自立に向けた取組の一層の推進」、「個人の尊厳と安心・安全が守られる社会の実現」、「女性活躍・男女共同参画の取組の一層の加速化」の4つの柱を示しているが、実現には文化や考え方が根付いた社会基盤を整えなければならない。

それは男性と女性という違いをどう整理し、女性あるいは男性以外の立場の人が自分の立場を深く考え、それを言語化し共有し、行動や実践を示し、新しい社会を創造するプロセスが必要だ。

その担い手を育成することが出来る女子大は、新しい社会に向けて、未だに整えられていない社会課題を「深く」考え、真理に向き合い、新しい社会を担う力を養う場でもある。

この新しい社会のキーワードは「ケア」である説く私であるが、この言葉は、女性の立場と親和性が高い。

ケアと対比される「正義」優先の社会が行き詰まり、窮屈さの原因ともなっている今、ケアの感覚で社会を創造することの必要性を説くことは、すべての性が水平型で考えられる社会に向けて、社会へのケアを自分事として考え、行動の第一歩を踏み出すのが女性であることは必然的な流れだ。

男性中心の社会から共生社会へ向かう中で、これまでの長い男性中心から変革するのは、女子大で考え行動していく役割は重要。
日々、学生と向き合い、対話する私も女子大だから、語り合える、真理に向かおうとするエネルギーが慄然と存在しているのを肌で感じている。

女子大だから培えた知見を社会で発揮してほしいと願いながら、学問を探求する場としての大きな可能性を示し続けたい。

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障がいがある方でも学べる環境を提供する「みんなの大学校」学長として、ケアとメディアの融合を考える「ケアメディア」の理論と実践を目指す研究者としての視点で、ジャーナリスティックに社会の現象を考察します。

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