本当に「お粥」は“消化に良い”のか?炭水化物が胃にもたれる理由

 

福島正嗣医師は、長年の内視鏡専門医としての診療経験に基づき、うどん、そば、ご飯、おかゆなどの炭水化物が、胃での消化に最も時間がかかるとのご意見です。

研究によるデータでもご飯は10時間、パンは6時間かかるということですが、一方、肉はあっという間に消化され、30分もあれば完了するそうです。

福島医師が、寿司を食べて5時間後の方の、胃カメラをしたところ、寿司ネタは残っていませんでしたが、ご飯だけが残っていたそうです。

要するに、タンパク質と脂質は胃で速やかに消化されて通過していくけれど、糖質は数時間以上も胃の中の残留して消化されにくいということです。

一般に、重湯やお粥やパンがゆなどは、消化に良いイメージがあり、風邪のときの食事などに、よく作られますが、実は真逆で、最も胃にもたれるメニューだったということですね。

人類は、700万年間、穀物なしの糖質制限食で生活していました。

農耕が始まるまでは木の実・ナッツ・魚貝類・果物・野草・自然薯など塊茎類・小動物・動物の肉・内臓・骨髄・昆虫などが日常的な食料ですで、この頃の食生活で糖質の占める割合はごく少なかったと言えます。

  1. 木の実やナッツに少量の糖質が含まれています。
  2. 果物は野生の果物なので糖質量は現代の巨大な果物に比べればかなり少ないです。

またこれらはそれぞれたまに手に入るラッキー食材であり、日常的な食糧ではありません。

なお人類はDNAの中にアミラーゼ遺伝子のコピーを多く持っているので、農耕(穀物)以前に、塊茎類(山芋、百合根、ゴボウ、レンコンなど)を
そこそこ食べていたと思われます。

穀物には大量の糖質が含まれていますが、穀物摂取は、わずか1万年前からに過ぎません。

結局、人類の消化管は、元々食べていた農耕前の食材のほうが穀物よりも消化しやすいということなのでしょう。

肉食は、200-300万年前に開始されて、この頃、脳が急速に大きくなったとされています。

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(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

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