海外進出に踏み出すとなると予想外のトラブルが次々と襲い掛かってくるものです。特に飲食業界では、味や接客以前に、国ごとの違いが大きな壁になります。今回、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんの発行するメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』では、「ゼロイチ」で海外進出をする際に抑えておくべきポイントを実体験と支援現場でのリアルな事例を交えながら整理しています。
飲食企業の海外展開のやり方
今年は自社もそうですがご支援先も複数者挑戦。大手のご支援先は現地法人のM&A前提ですが、多くは自分達の展開だと思います。
今回はどう自分達て展開するか? ここを考えたく思います。
■何気に重要な視点
経営者がその国好きか?これって凄く重要です。
国内では起きないトラブルは乱発する中で「儲かると聞いてたのに。。」が動機だとこれだけでイライラすると思います。
その国が好きで、その国で過ごしたいか。これが無いと0→1フェーズでは大変なので好きな国で選ぶって何気に大切です。
■株式で考える国選び
株式を過半数持てない。これは最も大きなリスクと捉えて下さい。
私も残念ながら乗っ取りにあわれたご支援先がいらっしゃいました。中国とタイでした。(今年でなく当時です)
共に株式比率は49%で会計は現地パートナーの懇意先。
粉飾されたPLにて回収も出来ず、取締役も過半数抑えられ、結果乗っ取りとなりました。
理由は回収を狙いたいタイミング。
日本側にとっては一刻も早くイニシャルを回収したい。
現地側にとってはイニシャルはなるべく払わず集客できる日本ブランドで展開したい。
イニシャルが大きければ大きい程に、ここの溝がどんどん深くなっていきます。
自由に経営できるか否かは株式を過半数以上持てるかどうかです。
- 好きな国か?
- 株式過半数持って自分に出来るか?
ここはポイントになってきます。
ちなみに上記の方向性さえ決まれば、現地に法人を作るのは簡単です。
国によって違いますが、北米や欧州だと約100万くらいです。
- 現地税理士と契約
- 現地司法書士と契約
上記を進めつつ日本側の同業の方をメールCCに入れて進めればただの手続論なので上手くいきます。
得てして現地から「資料を出して」となるので、
- 日本側司法書士さんが資料準備
- 外務省か大使館に公的判子を貰う
- 現地にDHLで郵送する
これを何度も何度も繰り返すだけです。大体3ヶ月くらいで法人が出来ると思います。
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■国際現金送金が可能か?
現地でやっとキャッシュに余裕が。ここからは日本に送金だ!
勘定科目としては、
- 業務委託
- コンサルティング
などなどに本来ならなりますが、この辺りの国際現金送金に自由がないケースもあります。
そうなると現地でキャッシュを回し続ける必要があります。
元々その予定なら良いのですが現地のキャッシュを日本に。
こう考えているといざその時に難しくなってしまいます。
ここは事前に税理士チェックをしっかり進められればです。
■日本からの派遣が可能か?
ゼロイチでは基本的には日本からの派遣になると思います。
ただそこで現地の雇用ルールを調べておくのは必須です。
やはりどの国にも自国の労働環境を守るルールがあり、
- 一人派遣辺り◯人現地採用
- 一人派遣辺り◯円必要
などの現地ルールがあります。
これを知らずにいざ派遣する際、人件費の部分でえっ!?となる事が多々あります。
しかもこの辺りのルールって意外と調べても出てこない。
これは上述の通り、法人を作ろうとする際に現地の税理士と契約交渉しているはず。
ここでしっかりと確認必須です。
■社会保障提携締結か?
日本から派遣する場合、
- 日本にも雇用が残る
- 現地でも雇用が生じる
このようになります。これが給与だけなら良いのですが、重たいのが社会保険です。
日本と現地国が社会保障締結なら、社会保険を払うのは1国のみ。
しかし!
これが締結していないと無駄に2国で社会保険が必要になります。
社会保障を受けないのに社会保険を払うこととなり、
- 企業は負担増
- 本人も手取り減で不満足
ここで結構ミスマッチが起きますーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2025年7月21日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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