切羽詰まった状況のとき、人は不可能だと思ったことを可能にしてしまうことがよくあります。「6つの仕事を掛け持ちする時間管理の専門家」として知られる石川和男さんは、自身のメルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』の中で、その状況を実際に体験し、やり遂げた際の「火事場の馬鹿力」について語っています。
今の状況を維持したいなら、知っておかなければならないこと
ある朝、突然こんな命令をされたとしたらどうしますか？
「1台10万円のカラオケ機材を、今日の夕方17時までに10台売ってこい」
返事は「はい！」と言いつつ、心の中では「ふざけるな、自分で売れよ……」と思うかもしれません。
そして数件だけ飛び込み営業をして、「やっぱり無理だな」と感じたら、残りの時間はパチンコや喫茶店で時間をつぶし、最終的には「頑張ったんですが、売れませんでした」と報告する。もしくは、辞表を出してそのまま辞めてしまうかもしれません。
ではもし、このミッションに「失敗＝死」という条件がついていたら？
たとえば、爆弾付きの首輪をつけられ、「売れなかったら爆発する」と言われたら？ あるいは、家族を人質に取られて、「売れなければ命はない」と脅されたら？
そのとき、私たちはきっと死にもの狂いで10台売る方法を探します。断られても食い下がり、土下座してでも頭を下げて、必死に売ろうとするはずです。
なにが変わったのか？
「今日の17時までに10台売る」という条件は同じです。
変わったのは、あなたの「気持ち」だけ。
「どうせ無理」から「絶対にやらなければ」に変わっただけで、不可能は可能になるのです。
これは極端な例ですが、人間は追い込まれたとき、とんでもない力を発揮します。
この記事の著者・石川和男さんのメルマガ
私自身、9つの仕事を抱えながら、毎年4冊のビジネス書を執筆しています。ある年は、ほかの仕事に追われて、締め切り3日前の時点で、6万字分の原稿が残っていました。
6万字といえば、400字詰め原稿用紙で150枚。編集者に「3日で書いて」と言われたら、絶対に「無理です」と断ります。しかし、スケジュール管理を怠ったのは自分。逃げられない状況です。結果、3日で一気に書き上げました。
書けるんです。人間って、火事場の馬鹿力があるんです。
思い出すのは、マンガ『軍鶏（シャモ）』の主人公リョウ。少年院で死と隣り合わせの闘いに挑まなければならなくなったとき、彼は必死に空手を習得し、絶対的王者に勝利します。フィクションではありますが、極限状態で引き出される力は、実際にも存在します。
「期限」と「負荷」が、成長を引き出す。
大学の卒論、間に合わないと思っていても、提出日が目前に迫ると一気に仕上げてしまう。
大事なデートがある日の仕事も、何がなんでも待ち合わせ時間に間に合うように全力でこなす。
納期が明日まで、会社の命運がかかっている――そんな仕事なら、普段の3倍速で仕上げられる。
こうした経験、きっとあなたにもあるはずです。
実際に私も、納期ギリギリの状況で驚くほどの集中力を発揮したことが何度もありますーーー（『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』2025年7月24日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です）
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