都市部での使用率46%
この中で特に注目されるのが、「高速:54%」「都市部:46%」というスマート運転支援の使用割合だ。
通常高速NOAは中国でもほとんど標準装備になりつつあるが、都市部でのNOAはもろもろ難易度が高い。
都市部の混雑道路や信号環境でも実用レベルに達していることを示しており、Momentaのアルゴリズムが高精度な環境認識・判断を前提としたエンドtoエンド(E2E)構造であることと無関係ではない。
安全機能発動の情報
安全面でもデータは示されている。前方衝突警報(FCW)は約40万件作動し、自動緊急ブレーキ(AEB)は775回、緊急ブレーキアシスト(EAB)は1115回作動した。
加えて、スマート駐車支援の使用回数は31万4254回にのぼり、ユーザー1人あたり平均27回使用しているという。
自動駐車(APA)が約29万回、リモート駐車(RPA)も1万8000回以上という結果から、駐車支援技術が日常的に活用されていることがうかがえる。
初のOTAも順次展開
さらに、6月30日からはbZ3Xとして初のOTAも順次展開されている。
Momentaの「フライホイールAI大規模モデル」によって、スマート運転支援の10項目、スマートコックピット9項目、駐車支援2項目、音声インタラクション5項目の計26項目がアップグレードされる。
特にファーウェイのHiCarを統合し、HarmonyOSエコシステムとの親和性を持たせた点は、中国ユーザーのスマートフォンとの連携ニーズに真っ向から応える仕様である。
TSSを封印した理由
特筆すべきは、従来のTSSに一切触れられていないことだ。
AEBやFCWといった機能は本来、TSSの中心を成すルールベースの技術であるはずだが、今回はあくまでMomentaベースのスマートソリューションであることが強調されている。
中国市場では、TSSのようなルールベース中心の先進運転支援システム(ADAS)はもはや「時代遅れ」と見なされがちであり、トヨタ自身がその空気を敏感に察知し、ブランドの枠を超えてでも最先端の地場テクノロジーを取り入れる必要性を感じていることがうかがえる。
今回のbZ3Xの報告は単なる販売・走行実績の発表ではなく、トヨタが自らの技術パラダイムを“日本発の制御”から“現地最適化のスマートAI”へと転換しつつあることを鮮明に示すメッセージでもある。
それはまさに、中国という特殊かつ競争の激しい市場で勝ち抜くための、必然の選択ともいえる。
出典: https://mp.weixin.qq.com/s/UVLfiNLrLxnKowmiKqWDVA
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