最近、飲食関係者の間で話題にのぼっているのが『麻辣湯』(マーラータン)なんだそうです。この麻辣湯、ビジネスとしてはどうなのか?という質問が今回、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんのもとにいくつも届いています。そこで、堀部さんの発行するメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』では、実際に麻辣湯という業態がビジネスとして儲かるのか、その構造と可能性について解き明かしています。
麻辣湯のビジネスモデルについて
最近良く聞かれること。それは「麻辣湯」どうですか?というもの。
ご支援先だけでなくメディア対応でも先週は麻辣湯がテーマでした。
ではこのビジネスモデルどうなのか? それを今日は見ていこうと思います。
■ 麻辣湯とは?
麻辣湯(マーラータン)とは何か? 中国・四川省発祥の料理です。
スパイススープに色んな具材を入れて煮込む 「辛くて痺れる」一人鍋スタイルの料理です。
スープに春雨や野菜、練り物、肉などを 自由に選べるセルフ形式で提供する店が中心。 シビカラ系にドンピシャな業態です。
アジアではかなり展開している企業も多いですが 日本はまだまだ未開拓エリアでもあります。
■ 麻辣湯はいつからブーム?
麻辣湯自宅は以前からちょろっとありました。そこから本格的なブームとして拡がったのはかなり最近です。
2023~2024年頃でSNSを通じて10-20代中心に一気に浸透していきました。
TikTokやInstagramで
・痺れるうまさ
・自分で具材を選べる新感覚鍋
この辺りで話題に。そこにマスメディアも乗っかり加熱しました。
■ブームが加速したキッカケ
話題と共に店舗数の拡大もあります。外資の参入でいえば韓国系の麻辣工房。
韓国で既に150店舗以上展開されており、日本フランチャイズとして2024年12月に高田馬場にオープン。
韓国系のコンテンツ力と麻辣湯のブーム。この掛け算でより話題になりました。
中国大手の「福國福麻辣湯」も今で19店舗展開されています。
国内系で言えば七宝麻辣湯。今は国内33店舗FC展開が進みます。
元々6店舗の時にFC展開が上手い、ダイニングイノベーションさんと提携。そこから一気に加速されました。
SNSでブーム
↓
マスメディアでより話題
↓
出店が加速
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地方メディアでも取り上げ
いつものパターンが続いている状態です。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
■原価率の構造
麻辣湯は原価率が非常に低い業態です。麻辣湯は20~25%程度。直営なら20%ちょいくらい。
理由は明確で、
・主原料が野菜・春雨・冷凍練り物で安い。
・動物性タンパク(肉類)比率が低め
・スープベースは仕入れ
・ロスが出にくい
・麺の保存が効くので在庫管理が楽
ラーメンと比べると本当に楽ですよね。
オペレーションが物凄く楽で粗利率が高い。これもスピード出店の一つになっています。
■人件費率の構造
人件費も抑えやすい業態です。
・調理工程がシンプル(スープで煮込むだけ)
・セルフ方式の省人化
・一人鍋スタイルなので準備が楽
などなど。人件費率は売上次第なので変わりますが、ツーオペで十分成り立ちやすいです。
■初期投資と業態転換
めちゃくちゃ安いです。
基本は居抜き物件。それだと300万円台程度の立ち上げ。業態転換ならより圧縮できます。
儲かっていないラーメンや中華業態だと本当に軽く変えてしまうことができます。
■これは続くのか?
続かーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』 2025年8月4日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください、初月無料です)
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