『鬼滅の刃』の「半天狗」と「特殊詐欺」の驚くべき共通点。喜怒哀楽で人を操る構造の恐ろしさ

 

「鬼滅の刃」の無限城が、あの宮殿にみえてしまう人もいるのでは?

喜怒哀楽を使って、相手の心を揺さぶる手法は霊感商法でも使われます。

「トーカー(霊能師)」と呼ばれる人物は、その上の指示役である「タワー長」からの命令を受けて、連れ込んだ人の悩みを聞き出します。それに同情を寄せながら「不幸の原因は、先祖の悪因縁だ」といい、「その悩みを解決したいですか?」と尋ねて、相手が「はい」と答えると、解決方法として印鑑や壺を売りつけます。

「救いの方法がある」と聞いて、それを聞いた人は「これまでの苦しい思いから逃れられるかもしれない」と思いから、涙を浮かべる人もいます。旧統一教会は、喜怒哀楽の感情を巧みに揺さぶりながら、ジェットコースターにのせるようにして、お金をだましとっていきました。

今、「鬼滅の刃」の無限城編が公開されています。ここは鬼たちの根城になっているわけですが、この城を見ながら、最近話題になった総工費500億円ともいわれる「天苑宮」に重なってみえてしまうのは、私だけでしょうか。

鬼たちたちは多くの人たちの血を食らいながら増殖しますが、その結果として存在するのが無限城といえます。もちろん、旧統一教会の信者らは人を殺すことはしないかもしれませんが、霊感商法などで、幸せに暮らしていた人から奪ったお金は、彼らが血と汗を流して得た代価です。それに、多くの日本の信者が身を削って出した献金もあるはずです。

多くの人々の苦しさや悲しみを味わせながら、それをもとに存在した城という意味では、同じようなものだと思うのです。

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悪徳業者などへの潜入取材した数は100ヶ所以上。数々の現場経験と被害者への聞き取り取材から、詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストとして一線で活動し、多数のテレビ・ラジオに出演している。現在はヤフーニュースのオーサ・公式コメンテーターとして、コメントやニュース記事を執筆中。消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」(2017年~18年)の委員も務めた。雑誌「ダカーポ」にて、悪徳商法に誘われたらついていく連載を担当。それをまとめた著書「キャッチセールス潜入ルポ~ついていったらこうなった」(彩図社)はフジテレビで番組化され、ゴールデン枠の特番で第8弾まで放送された。新刊11月予定「信じてみたら、ダマされる。~元統一教会信者だから書けたマインドコントロールの手口」(清談社清談社Publico)

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