人生における「不運」って実は予期せぬチャンスかもしれない、そんなことを実感したという作家の前沢しんじさん。自身のメルマガ、『人生を変えるキッカケコトバ 『バラエティ人生論』』で、入院先での隣のおじさんの「オナラ」が生活を一変させたというトンデモな思い出エピソードを明かしています。
不運、実はチャンス
足首骨折で入院していた時の話。
となりのベッドのオヤジが異様な屁こきで、つまりひどいオナラをのべつ幕なしに放つという遠慮知らずのヤツで、4人部屋の他の患者がみなびっくりするような轟音を爆裂させていた。
直接何かの害を与えてくるなら、即座に「おいコラ、なにするんじゃ」というところだが、なんせ「屁」なので怒るのも大人げないし、しかし腹立つなあ、なんとかせなあかんなあとしばし考えた。
その結果、「この場所をなるべく離れよう。そーだ、早朝から自主トレしよう!」と思い立ったわけで。
朝5時から談話室に行って、車いすから降りて右足首以外のできる部分をストレッチし、松葉杖を猛烈に練習して、階段を上り下り、院内をあちこち歩き倒した。
腫れが引くまでリハビリができなかったので、それまでに自主トレで鍛えまくった。
そして術後10日目くらい、いよいよリハビリ室でのトレーニング開始。
トレーナーが「それでは平行棒を使って歩行練習をします。松葉杖をおいて両手で平行棒をつかんでゆっくりと一歩進んでください」。
スタスタスタ。
「えーー、歩けるんですかー!」
そりゃそーよ、毎日早朝から自主トレしたんやからねー。
ま、そんな調子でさ。
結果、こんな回復の早い患者は初めてと言われることになったというお話し。
まったくケガの功名、災い転じて福となすとはこの通りだと思った。自分に不都合なことは実はチャンスでもある。
あの屁オヤジに感謝はせんが、いいきっかけになったことは事実。もし屁がなければ早朝リハビリなんて思いもしなかったもんね。
つまりそれは、回復が人並みレベルに留まってこんなに早く社会生活に戻れなかったということ。
不運とかマイナスとかを嘆くよりも、そこから「さあどうする?」と考えれば明るい未来がみえてくるもの。
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