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盗撮カメラ設置や不審者の立ち入りが不可能になる、変態教師どもから子供を守る「確実な手段」とは?

「変態教師」による盗撮事件が相次ぎ、本来もっとも担保されるべき信頼性が大きく揺らいでいる日本の教育現場。およそ常軌を逸していると言っても過言ではないこのような犯罪は、いかにして防ぐべきなのでしょうか。今回のメルマガ『伝説の探偵』では現役探偵で「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、現時点で教員5人の逮捕者を出した「盗撮画像のSNS上での共有」という事件の実態と、学校における盗撮対策の盲点を徹底的に検証。その上で、変態教師から子供たちを守るための具体的な施策を提言しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:変態盗撮教師を撲滅せよ

変態盗撮教師を撲滅せよ。現役探偵がレクチャーする教育現場で今すぐ取り組むべき対策

女子児童を盗撮し交流サイト(SNS)のグループチャットに投稿して共有したとして、性的姿態撮影処罰法違反(撮影など)の疑いで、名古屋市立小の教員ら2人が逮捕された事件。

交流サイトには約10人参加していたとみられ、その後も捜査は続いている。

2025年9月には神奈川県の20代の教師が逮捕され、先日は北海道の教員が逮捕された。

逮捕者は9月の段階で5人目となった。地道な捜査が続いているということだろう。

一方、報道によると今回逮捕された北海道の教員は、2009年4月から2013年3月まで埼玉県内の中学校に勤務し、同年4月から2016年3月まで北海道の十勝管内音更町立中に勤務、同4月から2018年3月までの間は栃木県で、同4月に再び道教委で採用され、2021年3月まで釧路管内浜中町立中、同4月から現在の千歳市立北斗中で勤務しいたという。教員免許は「技術」であり、DB(特定免許状失効者等に関するデータベース)に該当する教員ではなかった。

つまり、初犯だとデータベースでははじけないという事だ。これは、当初から指摘されていたことだが、個人の内側にある性癖等をどうやって見抜くのだという問題もあって、もう1つしっかりとした対策の軸が急務になっている。

そこで、こども家庭庁の有識者会議で話し合われたのが、「防犯カメラの設置」であるが、プライバシーの配慮や保護者の合意などの事実上の諸問題も浮上している。試験的に導入をして徐々に広げていければというようになってくれればいいが…。

一方で、本職探偵である私のもとには、妙な相談が多くなっている。

それは、盗撮盗聴機器の発見調査の依頼ではなく、盗撮機器発見器を購入するにあたり、良い機器は無いかという相談が、私学や公立校を管轄する教育委員会などからあるのだ。

ちなみに、私が探偵事務所を創業したのは平成15年の事だ。この頃の私が革新的だと言われたのは、調査依頼の営業活動をしたからだ。

そもそも、探偵調査は訪問したり足を運んで営業活動するというのは、不可能と言われていた。ところが私は、身内に100万円を借り、盗聴盗撮器発見に必要な専門的な機材を購入して、ラブホテル街で盗聴器などを発見しては回収して、この盗聴器をデモ機にして、引っ越し業者さんや不動産業者さんなど片っ端から飛び込み営業をして歩いた。

盗聴機器などを除去するサービスを提供させてほしいという営業活動だ。そのおかげで、複数の提携先ができて、毎日のように盗聴器や盗撮機を発見する調査をやっていた。

そうして派生したのがストーカー対策であり、その業務を本格化させるために私は鍵師の学校に行って専門技術を習得し、自社で鍵の交換をできるようにした。そして、翌年、初めのいじめ調査をする事になるのだが…昔話はこのくらいにしておくが。

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「盗撮カメラは機械では見抜けない」という現実

さて、今回は盗撮機器の発見についてだが、ハッキリ言って、機器のみで発見するのは極めて難しいと言って過言ではない。

どうやら各学校関係者さんは、不安になる生徒や保護者を安心させたいという思いがあってのことのようだが、盗撮機器発見器を導入したからといって全く安心できないのだ。

そもそも盗撮機器にはいくつかの種類がある。

1つは、偽装されていて他の機器と見分けがつかないもの。例えば、モバイルバッテリーや腕時計型、メガネ型などがある。この手の偽装式小型カメラは、そのもの自体にSDカードなどの記録媒体があることが多い。

もう1つは、偽装式小型カメラがwifi仕様になっており、インターネット上で遠隔操作などが可能なもの。イメージとしては、ウェブカメラのようなものだ。

また、およそ最も多いのが、スマートフォンのカメラを起動して録画状態にして適当なところにおいて盗撮する「置き撮」、デバイスが学校の記録用ビデオカメラだったということもあるようだ。

旧式のものは、電波を発信して映像を無線で飛ばすが、現在はそもそもで規格が古いので出回っていないし、コンクリートや鉄筋などの障害物に異常に弱いので電波が全く飛ばず使い物にならないだろう。

実際に販売されている盗撮機発見器というのは、この旧式の電波を発信するカメラを発見することに特化している。誤作動も多く、自動ドアに反応してしまったりするものもあるほどだ。

高級仕様となっているものは、赤外線などを照射して、その反射でレンズが光る作用を利用して発見するという機能などが付与されているが、レンズの角度や偏光フィルターなどの利用で、反応しないこともある。

そもそも巧みに偽装され、隠されたものを見つける機能をもつ機械で、何らかをみつけるには、その発見点がなければならない。

旧式のカメラであれば発信する電波がそれにあたる。一方で何も発信もせず、ただ目の前にあるものを録画するだけのものは、その物体その物から発見点は出ていないのであるから、不自然さから手に取って、よく観察する以外に異物だと認識することは困難だ。

wifi等の電波を利用するものならば、確かに発見点として「wifi」という判定もできるが、現在の学校は、ほぼ100%普及した学習用タブレットパソコンの利用などで、同様の電波を発信受信する機器は大量に存在するわけだ。

つまり、現実的には、1つ1つを良く点検し、手に取って観察し、異物であるかどうかを判断する必要がある。調査においてはこのことを目視点検というのだが、目視のみで発見するには専門的な経験と知識が必要だと言えるだろう。

つまり機械を導入してもそもそもであまり効果が無いということだ。およそ、こうした問題の専門家や実務経験がある探偵調査員も同じことを言うだろう。

ではどうすればいいのか?

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「空き教室」を安全拠点に変えるという盗撮防止の新発想

答えは非常に簡単だ。

日本はだいたいアメリカやイギリスと同じような道を辿る。いかに強固に防犯カメラの設置を拒む非論理的な集団があっても、守りようがないと知れば、防犯カメラの設置に動かざるを得ないだろう。しかし、それには世代が替わるくらいの時間が必要だ。

つまり、いずれ防犯カメラ対策が進み、AIによる自動異常行動の判別などができるようになって手間なく変態を見つけることができるようになる。

いやいや、そうなるまでの間はどうなんだ?ということも答えがある。

それは、「セーフティールーム」を作ることだ。

現在、学校施設には必ず空き教室がある。これは子ども世代の数の減少で、教室が空いてしまう現象がどこでも起きているということで、もしも空き教室が無いほど生徒があふれているのであれば、相当に儲かっているから建物自体も作れよう。

要は、カメラや不審者などが立ち入ることができない、安全対策と定期調査が施された部屋を一定数確保し、このセーフティールームで着替えなどするという仕組みを導入すればいいのだ。

また、教職員のみならず、児童生徒や保護者に、安全講習として、盗聴器盗撮機器発見についての知識や技術を簡素化した講座を受けてもらえばいい。実際の小型カメラを見て、手に取って触って学べば、性犯罪者どもが獲物にしていた者が狩人に変身することになる。

そもそも盗撮機に利用される小型カメラは、目に見えないウイルスではない。目に見える物体であるのだ。個としての物体がある以上、見つけることは可能なのだ。

切望される残りの「変態盗撮教師」の一刻も早い逮捕

変態盗撮教師グループが、社会に与えたショックは大きかった。それこそ省庁が有識者会議で話し合うほどだし、年頃の生徒だけではなく児童や幼児にも不安が広がっているし、保護者の多くがうちは大丈夫なんだろうかと不安になっている。

匿名性の高いSNSということでアプリ名は隠されているようだが、その手のSNSから見つけるのは至難の業といわれている。他にも痕跡があるのだろうと思うが、これをやっている愛知県警さんには、ぜひとも頑張って全員逮捕をしてもらいたいし、しっかり起訴をして厳罰をしてもらうのがよいだろう。

9月に逮捕された北海道の教員は、他の地域などで気持ち悪いと言われていたそうだが、気持ち悪いとかお気に入りの女子にはやたらと依怙贔屓する先生は変態盗撮教師以外にも居そうだ。それのみでダメというのはなかなか無理だが、未だに職業選択の自由が侵害されるとか騒ぐのはいい加減にしてもらいたいところだ。

追跡を逃れようと次々に作られては消える変質者のサイト

メディアの記者さんやこうした問題を追っているジャーナリストの方は、周知の事実ですが、こうした子どもの性的な盗撮動画や画像の愛好家と言われる人たちが、集まっているサイトなどがあります。

私も調査を進めて、わかったことですが、確かにありますし、作られては消え、また作られるというのを繰り返し、追跡の手を逃れようとしています。

捜査関係者の方はたぶん、もう知っていてマークしていると思いますが、一般の方々にも、そうしたところがあるのだと知っておいてもらった方が良いでしょう。

ちなみにこの事件前に、私が原案をしている漫画『いじめ探偵』で、変態盗撮教師編をやっていて、そのものズバリが漫画になっています。

背筋がゾッとしますよ。

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image by: Shutterstock.com

阿部泰尚この著者の記事一覧

社会問題を探偵調査を活用して実態解明し、解決する活動を毎月報告。社会問題についての基本的知識やあまり公開されていないデータも公開する。2015まぐまぐ大賞受賞「ギリギリ探偵白書」を発行するT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚が、いじめ、虐待、非行、違法ビジネス、詐欺、パワハラなどの隠蔽を暴き、実態をレポートする。また、実際に行った解決法やここだけの話をコッソリ公開。
まぐまぐよりメルマガ(有料)を発行するにあたり、その1部を本誌でレポートする社会貢献活動に利用する社会貢献型メルマガ。

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