なぜ今、再び「女性活躍」なのか?東京都の条例が示す未来へのヒント

 

私が全国1000社以上の企業を訪問し、確信したのは、女性が元気な会社は男性も生き生き働いてるというリアルでした。。女性が元気に働いている会社の社長さんはとてもオープンで、とてもフェアです。

停滞が進化の妨げになることを理解しているし、全員野球じゃないと会社が勝てないことも知っていました。

つまり、女性問題は男性問題でもある。だからこそ、とことん女性活躍をやり遂げて欲しいのです。

一方で、2023年にノーベル経済学賞を受賞したクラウディア・ゴールディン博士のの著書『なぜ男女の賃金に格差があるのか 女性の生き方の経済学』に記されていた研究結果を思い出します。

ゴールディン博士は「男女の賃金格差の真因」を明かすために、200年以上にわたる米国のデータを包括的に分析しました。その結果たどりついた答えは、パターナリズムや偏見といった「心」の問題ではなく、人生におけるライフイベント(=出産)によって、男性の有償キャリアが優先され、女性の労働時間が減ることに賃金格差の“病根”があるというエビデンスでした。

女性の働きやすさを求め、理解がある上司に恵まれ、男性の育児休暇取得率が向上すれば、ケア労働に対する心理的or肉体的負担は軽減されるかもしれません。しかし、それらは対症療法に過ぎない、と。

それは「働き方のスタンダードを変えよ!」という明確なメッセージです。

企業の賃金体系そのものが、歴史的な社会規範や性役割の影響を受けた「男性をスタンダードにした働き方」=“time macho“に基づいていることにこそ問題がある。

もし、ゴールディン博士が膨大なデータから導き出した男女格差のない働き方ができる社会に、学生時代の「私」が生きていたなら、たとえそれが積極的な選択であれ、究極の選択であれ、今とは全く別の「私」になったことは間違いありません。

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