「おと」でつながる過去と未来。毎年恒例の「気仙沼線写真展」が問いかけるもの

 

展示に関する考え方で最近、アウシュビッツ・ビルケナウ博物館のピョトル・ツィビンスキ館長は朝日新聞の取材にこう語っている。

「(虐殺などの)悲劇の根源には、ポピュリズムが関わっています。これ以上、無関心にならないことです」と話し、「政治家からポピュリスト的な発言が一つ出ると、他の政治家たちはより過激なポピュリズムに走らざるを得なくなる。その結果として、言葉の上で『非人間化』が急速に進みます」。

この状況から展示では、新たなに馬に対して使っていたものが、収容所で人間にも使うことになった「むち」を展示し、「人間を動物のように扱う非人間化」を示すものとして位置付けているという。

ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)が行われる前段階には「非人間化の段階があり、その後に殺害を求める」と指摘する。

人への想像力の欠如が、対象をモノ化し悲劇がもたらせるという教訓だが、それは世界の喫緊の課題でもある。

あまりにも重い悲劇を伝える展示でも、風化は課題のようだ。

現在の世界政治の状況からも危機感もあるかもしれない。

いずれにしても展示でイメージを提示するのは重要だ。

気仙沼線の展示は、多くの方が犠牲となった東日本大震災を教訓とし続けることの維持も目的であり、風化させない、ということはつまり、忘れないこと、実感として震災の恐ろしさを胸に刻み、震災への備えを怠らない行動につなげることである。

だから、「おと」で震災前の情景を想像しながら、鉄路や町が破壊された事実を再度胸に刻む時間になってほしいと思う。

世界で戦争が顕在化する中で、すでに世の中は、第二次世界大戦の戦後ではなく、次に始まる戦争に向けての戦前である、との声も聞かれる。

東日本大震災も15年が経過すれば次の震災の備えもいよいよ心配になってくる。

それも念頭に置いて展示をみてほしい。

東京・代々木のカフェ・ヌックで3月9日から21日まで開催。

来場の際には、芳名帳にひとことも記載してください。

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障がいがある方でも学べる環境を提供する「みんなの大学校」学長として、ケアとメディアの融合を考える「ケアメディア」の理論と実践を目指す研究者としての視点で、ジャーナリスティックに社会の現象を考察します。

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