思い切って開業してみると、心配の多くは杞憂でした。相続案件が殺到するわけでもなく、会計ソフトも初心者向けの設計で十分対応できました。
それよりも、実際にお客様と向き合うなかで見えてきた課題こそが、本当に磨くべきポイントでした。それらは、開業前にいくら考えても想像できなかったものばかりです。動いたからこそ、焦点が定まったのです。
ここで重要なのは、「やみくもに動く」ことではありません。「動きながら、試す」ことです。ざっくりで構いません。まず仮説を立てる。そして行動する。違うと感じたら、また別の仮説を立てて試す。
その過程で必要になった情報だけを集めていく。情報収集が先にあるのではなく、仮説と行動が先にあるのです。
自動車メーカーの創業者である本田宗一郎は、「人生は『見たり』『聞いたり』『試したり』の三つの知恵でまとまっているが、一番大切なのは『試したり』である」と語りました。
本田技研工業が世界企業へと成長した背景にも、膨大な「試す」の積み重ねがあったはずです。完璧な設計図を待つのではなく、走らせながら改良する。その姿勢が、結果としてスピードを生みます。
ビジネスは、限られた時間のなかで成果を出さなければなりません。
特に3月は、意思決定のスピードが来期を左右する時期です。新しい取り組みを「4月から本気でやる」のではなく、4月のうちに小さく試しておく。小さな実験を重ねておけば、スタートダッシュは格段に速くなります。
答えは、動いた先にあります。完璧な自信がつく日を待つ必要はありません。仮説を持ち、小さく試し、修正し、また試す。その循環を回し続ける人こそ、結果的に最短距離でゴールへたどり着きます。
この春、あなたが踏み出す一歩は何でしょうか。桜が咲く頃には景色が変わっているように、 行動を起こせば、見える景色は必ず変わります。準備に安心を求めるのではなく、行動のなかに 確信を育てる。3月という転換点を、ぜひ「動きながら考える力」を磨く時間にしていきましょう。
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