日本から台湾への善意を「ワクチンこじき」呼ばわりした親中議員と中国の卑劣

kou20210625
 

中国当局と極めて近い関係性を維持する台湾野党の国民党は、国民の命を守るより蔡英文政権の足を引っ張ることばかりに力を傾けているようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、日本やアメリカからコロナワクチンの提供を受けた蔡英文総統を、国民党議員が「物乞い」扱いしたと伝えるニュースを紹介。その上で、他国の善意を政権批判のため悪用する親中議員と中国を強く批判するとともに、この騒動で台湾の未来を託すべき政党がより明白になったと記しています。

編註:今日の人権意識に照らして不適切と思われる表現がありますが、取り扱っているテーマや文脈から差別意図はないものと判断し原文を尊重しました)

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※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2021年6月25日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

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【台湾】他国からの善意を政権批判に使う国民党と中国の卑劣

国民党市議の「ワクチンこじき」発言 政府が反論「不適切」/台湾

中国と野党・国民党が手を組んで、ワクチン入手に奔走している蔡英文政権のイメージダウンを狙っています。国民党は台湾内部から、中国が台湾外部から蔡政権を攻撃するという作戦なのでしょう。中国と国民党の連携プレーは、ワクチン問題でより鮮明に表面化しています。

その典型が、冒頭のニュースです。日本やアメリカからワクチンの提供を受けている蔡英文政権を、国民党の羅智強台北市議が「台湾はワクチンこじき」だと表現したのです。もちろん、政権側はこれに対して反論しています。以下、報道を一部引用します。

行政院(内閣)の羅秉成(らへいせい)報道官は22日、相手方の善意を「施し」と見なすことは「好ましくなく、不適切だ」と反論した。

 

(中略)

 

羅報道官は、長期的に友好関係にある米国と日本が緊急用に恵みの雨のようなワクチンを台湾に届けたことは対等な友好的態度に基づくものであり、いずれも善意で、台湾は非常に感謝していると言及。このような助け合いは、台湾が昨年、マスクの供給に余裕がある際に友好国を支援したのと同じだと述べた。

国民党市議の「ワクチンこじき」発言 政府が反論「不適切」/台湾

この報道が出た後のことですが、日本からのワクチン提供のお礼に台湾からマスク40万枚が日本に届きました。しかも、感謝の気持ちを込めてマスクを贈りたいと提案したのは、滋賀県大津市で産婦人科病院を営む医師の王輝生さんで、彼の提案に賛同した台湾の大手マスクメーカーが商品を提供したのでした。

日本からのワクチン提供に返礼 台湾からマスク40万枚が日本に届く

医師の王さんは、「台日の友情は長年にわたる積み重ねによって作られたものであり、両国は恩を知ってお返しをすることや助け合いを理解していると指摘する。ワクチンを載せた飛行機が台湾に向けて成田空港を出発する際、謝長廷駐日代表(大使に相当)が雨の中で深々と頭を下げる姿に、多くの台湾人が感動を覚えた」とコメントしています。

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