内閣府の発表によれば、外国人による防衛施設周辺などの土地取得で中国が約半数を占めるなか、韓国では「独島は我が地」という歌の歌詞が改訂され、「対馬は朝鮮の地」という表現が加わりました。歴史的事実に反するこの変更は、領土問題における歴史認識の重要性を改めて浮き彫りにしています。メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では、著者で宮塚コリア研究所代表の宮塚利雄さんが、対馬の歴史的事実と、誤った歴史認識がもたらす問題について警鐘を鳴らしています。
外国人による土地取得、中国が最多
内閣府は2025年12月16日、外国人や外国法人による防衛施設周辺や国境離島などの昨年度の土地や建物の取得状況を発表した。国・地域別では中国が最多で、外国人が重要土地を取得した3,498件中1,674件で約半数を占めたという。
年末であるから北朝鮮のこの1年間の出来事を回顧と展望すべきであるが、今年も通年と変わらず金正恩政権の核・ミサイル開発と軍事力強化、隠蔽していたロシアへの北朝鮮軍人の派遣騒動、金正恩総書記の娘の「ジュエ」の漢字名が「主愛」で、金王朝の後継者になる可能性が高まってきた等、たわいのない話題で終えそうだ。
ただ、一つ付け加えるなら、北朝鮮のマスコミが「今年は豊作」で、全国の協同農場では久しぶりに「決算分配」の行事が大々的に繰り広げられたと報じたことだ。各協同農場の一角には米俵が山のように積み上げられ、豊作を祝う農場員たちの踊りや、勤労報酬の一部として農場員に贈呈する家電製品などが陳列されていた。
これは1993年までこの時期になると北朝鮮の協同農場では「決算分配」の様子がマスコミで報じられていた。日本で発行されている朝鮮総連の機関誌「朝鮮新報」も、この「決算分配」の行事が「何十年かぶりに報道された」と伝えているほどである。どれほどの穀物生産量であったのか、その実態は分からないが、もし本当に豊作であったならその主な理由として、今年は北朝鮮に台風が一度も襲わなかったことだろう。
「対馬は誰の土地なのか」
話は変わって、世界日報の2025年1月27日号「姉妹紙・韓国セゲイルボを読む」の記事の中で、「歴史問題を外交の事実武器にするな」の中で「対馬は誰の土地なのか」があった。韓国人は竹島(韓国では独島)だけではなく、対馬も韓国領土だと主張していることは以前からもあった。だが、記事の中で「中国はさらに独島(島根県竹島のこと)問題でも婉曲に韓国の立場を支持するような姿勢を見せた。
これまで尖閣諸島に対して中国の固有領土だと主張してきたが、独島問題では言葉を控えてきたのにだ。そうした中、ふと韓国も中国のやり方と似た部分があるということに思い至った」とし、「独島はわが領土」の歌詞問題がそうだと述べている。
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