「空気」も爆買い。中国で「英国の新鮮な空気」ボトルがバカ売れ

2016.02.15
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先日、中国やインドを中心に、約550万人が大気汚染で亡くなっていると言うデータが研究機関によって発表されました。イギリスでは、その深刻な環境問題を逆手に取って「新鮮な空気を売る」という新しいビジネスがはじまっています。

中国とインドを中心に深刻化する大気汚染問題

2016年2月、英ガーディアン誌は2013年の1年間で550万人が大気汚染で亡くなったという研究機関によるデータとともに、今後も大気汚染問題解決への国際レベルでの取り組みが必要であると報じました。

550万人の半分以上がインドと中国での統計によって占められており、 それぞれの死亡者数は140万人、160万人にものぼっています。

具体的には心臓病、脳卒中、肺がん、気管支炎、気腫、急性感染症などを引き起こし、大気汚染は世界で4番目に死亡リスクの高い問題となっていると、英コロンビア大学のブラウアー氏は説明しています。

インドでは、木材や肥料の焼却、暖房などが大気汚染の原因としてあげられるほか、車の排気ガスも深刻な原因のひとつとなっており、首都デリーでは今年4月から、車のライセンス・ナンバーによって運転ができる日を制限するという新たな規制についてもニュースとして報じられています。

また、英デイリーメール誌は、今回のチャイニーズ・ニューイヤーで行われた打ち上げ花火が原因で、2月7日の夕刻から深夜にかけてPM2.5のレベルがピークに達し、中国の139都市で大気汚染レベルが悪化したと報じました。

イギリスの新鮮な空気を中国で販売

そんな中、イギリスでは新鮮な空気を容器に入れて販売するという新しいビジネスが生まれています。

エディション誌は、空気の入ったボトルを115ドルで中国人バイヤーに販売することで、数千ドルを稼いでいる27歳の起業家、レオ・デ・ワッツさんのビジネス事例を紹介しました。

「580mlのグラス・ジャーは、特に汚染のひどい北京や上海でよく売れています。ほとんどの注文はオーダーメイドです。顧客は自分が欲しい空気に関してとても具体的な要求をしてくるので、時には山の頂上で、時には谷底まで行って空気を収集しています」。

現在、ワッツさんは香港に移住し、空気入りグラス・ジャーの路上販売の可能性を探りはじめました。

今回のチャイニーズ・ニューイヤーではグラス・ジャーの15個セットをギフトセットとして1200ドルで販売しているようです。

そもそもジャーを開けたら、たちまちその場の空気に混じってしまうのではないかと、使用方法に関してはちょっと疑問が残りますが、もしこれがヒット商品になれば中国や香港だけでなく、インドにも横展開の可能性は十分ありえそうですね。

みなさんは、空気を買うのであれば、どの地域の空気を吸い込んでみたいですか?

image by: AETHAER

source by: Edition CNNThe guardianDaily Mail

文/長塚香織

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