ドラマ『初恋芸人』原作者に直撃!「松井玲奈は推しメンでした」

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3月1日からNHK BSプレミアムで始まったドラマ『初恋芸人』(毎週火曜日23:15~)。俳優・柄本時生さんが演じる主人公の売れない若手芸人と、元SKE48の松井玲奈さんが務める美少女ヒロインが繰り広げる甘く切ない恋模様、そしてリアルな芸人たちの生態がコミカルに描かれる話題作。

そんな『初恋芸人』の原作を手掛けたのが、脚本家・UMA研究家・特撮怪獣マニア・アイドルホラー研究家など、様々な肩書きを持つ奇才・中沢健さん。自作の小説やイラストが書かれた紙を身体中に張り付け、繁華街を歩く“歩く雑誌”のパフォーマンスでも知られ、過去には「銭形金太郎」や「めざましテレビ」といったテレビ番組にも取り上げられたこともある、知る人ぞ知る人物なんです。

『初恋芸人』のドラマ化で、今後は小説家としても大いに注目を集めそうな中沢さん。今回はそんな彼に直撃し、小説『初恋芸人』執筆時のエピソードから、ドラマに出演する柄本時生さん・松井玲奈さんらと対面された際のエピソードなどを、大いに語っていただきました!

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――『初恋芸人』が発表から7年の年月を経て、TVドラマ化されるに至ったきっかけや経緯を教えてください。

中沢:ドラマ化の話は、昨年の5月くらいにいただいたんですけど、ドラマのプロデューサーさんが、「初恋芸人」を読んで気に入ってくださったんです。この7年の間に(中沢健が)メディア露出を増やして、知名度も上がったことがドラマ化が決まった原因であるのだろうと言われている方も結構いたのですが、全然そんなことはなく、プロデューサーさんも初めて僕と会った時はまずこの格好に驚かれておりましたし、「初恋芸人」の作者として以上のことは僕のこと何も知りませんでしたね(笑)。純粋に小説の魅力だけで、ドラマ化の企画に「初恋芸人」のタイトルを出してもらうことが出来たのは作家として非常に嬉しく思っています。

――ドラマ化決定から情報公開までに半年間ほどの期間がありましたが、ドラマ化に関して中沢さんがされていたことを教えてください。

中沢:脚本は読ませていただいたので、自分なりのご意見はいくつか言わせてもらいました。あとは全8話のドラマにするためには原作のボリュームが足りないとも思ったので、売れない芸人のあるあるエピソードみたいなものをリストにして書いて、それを見ていただいたりとか。でも、基本的にはドラマに関しては、ドラマのスタッフさんにお任せするべきだと思ったので、僕は皆さんが作られた物を見せていただいて、必要な時だけ感想を言わせてもらうという感じでしたね。

――中沢さんは松井玲奈さんのファンだとお聞きしていますが、その松井さんが今回のドラマのヒロインを務めることとなったとお聞きになった際の率直な感想、またその後対面された際の印象やエピソードなどを教えてください。

中沢:そうですね。松井玲奈さんは、SKE48の推しメンでした。総選挙でも玲奈さんに投票したことあります。実は随分前に握手会にもプライベートで行ったことがあったんですよ。今回、ドラマの撮影を見学にも行かせていただいたのですが、松井さんは数年前にたった一度握手会に行っただけの僕のことを覚えてくれていたんですよ! これは衝撃的でしたね。松井さんは、本当に真剣に1人1人のファンの方と向き合っておられるのでしょうね。

そういうファンとしての目線もあるのですが、それとは別に「初恋芸人」のヒロイン・市川理沙を玲奈さんが演じるというのは、ぴったりだと思いましたね。そもそも僕が玲奈さんに注目するキッカケになったのも「マジすか学園」というドラマで玲奈さんが演じていた「ゲキカラ」という役だったんです。アイドルというよりも、女優として松井玲奈さんにまず興味を持ったんですね。

僕はアイドルが結構好きなので、松井玲奈さん以外にも握手会に行ったことのあるアイドルは何人かいますが、市川理沙を演じられる女性は松井玲奈さんしかいないなと強く感じています!

――小説『初恋芸人』は、中沢さんが何歳の頃に書かれた作品でしょうか。また主人公を含めて、ご自身の体験を元に書かれたものでしょうか。

中沢:初恋芸人の大元になった原稿を書いたのは、27歳頃だったと思います。自分自身をモデルにしたところや、実体験を参考にして書いた部分もありますね。ただ、主人公の職業を芸人にしてみたりとか、完全なノンフィクションにはならないように工夫したつもりです。

――それまでの創作活動において、恋愛というテーマとは無縁だった中沢さんが、この『初恋芸人』という作品を書くに至った経緯を教えてください。

中沢:僕は小説のジャンルで言うと、ミステリーが一番好きなんです。それで書く小説もミステリーが多かったんですけど、幸運なことにほとんどの人は、殺人事件に巻き込まれるようなことは普通はあまり無いですよね。それじゃあ、ほとんどの人が誰でも経験するシチュエーションでミステリーに一番近いことって何だろうと考えたら、誰かに片思いをしている時だと思ったんです。好きな人の行動や発言からその人の真意を探る過程って、構造としてはミステリー小説と一緒だなぁと思って。そういうふうに考えたら、ミステリー好きの自分としては、案外すらすらと恋愛小説も書くことが出来たんですね(笑)。

――『初恋芸人』のテーマのひとつでもあると思いますが、何らかの表現活動をする際の原動力に関して、現在の中沢さんの中では何が大きなウエイトを占めていますか。またそれは、過去と比較して変化していますか。

中沢:僕は5歳の頃には「本を書く人」になりたかったらしいんです。 そう思ったキッカケももう覚えていないのですが、幼稚園の頃に書かれたノートには「将来は本屋さんになるんだ」と既に書いてあったんです。……あ、当時の僕は本は本屋さんが自分で書いて売っていると思っていたんですね(笑)。だから、僕にとっては作品を生み出して世に出していきたいというのは、物心ついた時から自然に持ち続けている感覚なんですね。だから、作品1つ1つを生み出す動機にはバリエーションがあったとしても、基本的には5歳の頃から変わっていないような気がしますね。

――ドラマや小説の『初恋芸人』をより深く楽しむために、併せて鑑賞することを勧めたい特撮などの映像・小説などを教えてください。

中沢:「初恋芸人」をより楽しむための作品ですか? 難しい質問ですね。初恋芸人って、怪獣オタクが主人公だし、作中にはいろんな特撮作品のタイトルも出てきますが、僕としてはオタク以外の人が読んでも、怪獣に知識がない人が読んでも面白く読める小説になるようにかなり意識していたんです。だから、別にこれを見なくても「初恋芸人」は充分楽しめますが、特撮悲恋映画の傑作「ガス人間第一号」や、第一作目の「ゴジラ」などは是非ご覧いただきたいですね。

あとは那須正幹先生の児童文学「ズッコケ(秘)大作戦」も、子供向けの読み物ではありますが、「初恋芸人」を気に入ってくれた方にはおススメですね。

 

なお「まぐスぺインタビュー」では、今回行ったインタビューの完全版を収録! 今後の作家活動についての意気込みから、自身で配信されているメルマガの話題、そして中沢さんといえばUMA(未確認動物)ネタということで、最近注目しているという「台風人間」「猫人間」の知られざる実態も語るなど、かなりディープな内容に……。こちらも要チェックです!

image by: NHK ONLINE

information:
『歩く雑誌・中沢健を応援する雑誌』
まぐスぺインタビュー 中沢健さん

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