実は外が丸見え、狭すぎる間口。京の町家に隠された謎を解く旅へ

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京都の街角を歩くとばったり出会う、古い町家の並ぶ風景。家の中に入れる機会はそうそうありませんが、今回の無料メルマガ『おもしろい京都案内』では、著者で京の都に造詣が深い英学(はなぶさ がく)さんが、この京町家の詳しい解説と全貌を紹介しています。秋からの京都旅行を計画している方は必見ですよ。

京町家の謎と魅力

京都の街を歩くと、趣き深い町家の風景に出会うことができます。細長い敷地に建てられた京町家は「うなぎの寝床」と呼ばれます。玄関の間口部分が狭く奥行きが縦長で深い造りが特徴です。今回はこの京町家についてご案内します。

桓武天皇が京都に都を移し条坊制という中国の長安の都をモデルにした碁盤の目の都市を造りました。町家の成り立ちは、この平安京の碁盤の目に関係しているようです。

平安京が造営されて都が栄えるようになると交易が盛んになり人も増えます。人口が増加すると、限られた狭い空間をできるだけ活用しようと考えます。その結果、通りに面して狭い入り口の家、主に商家が町に立ち並ぶようになりはじめました。また、通りに面して並ぶ店の数を増やして町並みに賑わいを持たせるようにしたのではないかとも伝えられています。

江戸時代になるとそれだけではなく家屋に課せらる税金にも関係していたようです。江戸時代の京都では、家の間口の広さで税金を決めていました。これは「間口税」といわれるものです。家の間口3間(約5.4m)ごとに税金をかけたそうです。そのため大店で店を営んでいた豪商などは節税対策として売り上げに対して間口を極端に狭くしたのです。そしてその分奥行きの長い家を建てるようになったといわれています。

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