コロナ禍で医療保険に加入する人が増えています。さらに細かくみると、生活不安があり保険に加入した方がよいだろう低所得者よりも、必要性の低い高所得者の加入率が増えているというデータがあります。なぜでしょうか?(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
不慮の事故・病気で生活が揺らぐ低所得者ほど保険加入率は低い
医療保険は、公的医療保険ではカバーしきれない費用を軽くする目的で加入するものです。
なので、ある程度の預貯金がある人は、加入する必要がありません。
例えば、1ヶ月入院して保険適用される医療費の総額が100万円だった場合、高額療養費を適用した後の自己負担額は8万7,430円です(一般的な収入の方の場合)。
ただし、差額ベッド代や食事代は全額自己負担なので、年収が低い層ほど医療保険に入った方が安心なのです。
ところが、低収入層ほど医療保険の加入率が低いのです。
※参考:低収入層には保険が届いていない? 保険について考えた2020年、1,000人への実態調査で判明。 | 保険を身近に: 株式会社justInCase(2020年12月25日配信)
高所得者に多い「保険かけすぎ」
記事によると、年収500万円未満の方の医療保険の加入率は53%ですが、年収500万円以上の方は70%も加入しているとのこと。
年収が高い人ほど保険加入率が高く、しかも保険料は年収に比例しています。
医療保険の特徴から言えば、逆のことをしているのです。
さらにコロナ禍で保険に加入している方が増えているそうです。
コロナの入院に備えるのは気持ち的に理解できますが、無駄に保険を掛けるのはよくありません。
リモートワークで通勤しなくなったぶん運動不足になりますから、保険よりも運動をする習慣の方が大事なのではないでしょうか?
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収入が安定しない人ほど医療保険は必須
また、前述の記事には職業別の保険加入率も載っていますが、個人事業主ほど医療保険に入っていません。
会社員の場合、病気やケガで会社を休んだ時には「傷病手当金」が支給されます。ですが、国民健康保険の場合はこの「傷病手当金」の支給はありません。
個人事業主ほど「医療保険」を手厚くするべきなのですが、これもまた逆の行動をしているのです。
保険は余裕がある人には不要なもので、余裕がない人にこそ必要なのです。
さらに、ご自身の働き方にも合わせて保険を考えてくださいね。
『教育貧困にならないために』(2021年2月19日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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