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From 首相官邸ホームページ

今後の相場を決めるペラ1枚「名目GDP600兆円に向けた成長戦略」の中身=櫻井英明

政府の産業競争力会議が「成長戦略」の概略を発表した。「ロボット・ITでの第4次産業革命を軸にGDP600兆円を目指す」という方向。具体論と市場の反応が待たれる。昨日のマザーズ指数の7.5%高で5日続伸はこの先取りだろうか。(『「兜町カタリスト」』櫻井英明)

第4次産業革命で2020年に30兆円創出

産業競争力会議で出された「相場シナリオのバイブル」

産業競争力会議が昨日開催され、「GDP600兆円に向けた成長戦略(案)」が出た。たった1枚の紙だが、今後の相場シナリオのバイブルみたいなもの。多くの投資シナリオはこれに基づいて作成されることが多い。でも原典を見る人はほとんどいないから不思議なもの。※名目GDP600兆円に向けた成長戦略(次期「日本再興戦略」)【案】[PDF]

キーワードを拾ってみると…。

新たな有望市場の創出

(1)第4次産業革命(2020年に30兆円創出)
《Iot・ビッグデータ・AI・ロボット》
自動走行、即時オーダーメイド生産、スマート工場、Fintech、ドローン、データ活用プラットフォーム、シェアリングエコノミー、サイバーセキュリティ

(2)世界最先端の健康立国へ(2011年16兆円→2020年26兆円)
保険外サービス促進、IoT活用による医療診断、電子カルテ、ロボット・センサー活用での介護

(3)環境エネルギー制約の克服と投資拡大(2014年度18兆円→2030年度28兆円)
省エネ、再生エネ、節電量市場の創設(2017年)、資源安全保障の強化、燃料電池車普及と水素社会の実現(2017年)

(4)スポーツの成長産業化(2015年5.5兆円→2015年15兆円)
施設の多機能化、スポーツとIT・健康・観光・ファション等との融合と拡大

(5)既存住宅流通・リフォーム市場の活性化(2013年11兆円→2015年20兆円)
資産価値を評価する流通・金融等の仕組み構築、インスペクション・瑕疵保険普及

Next: ローカルアベノミクスの深化/観光立国へ、2020年オリンピックを見える化



ローカルアベノミクスの深化

(6)サービス産業の生産性向上(2014年343兆円→2020年410兆円)
トラック・旅館・スーパー等7分野の生産性向上、固定資産税軽減

(7)農業改革・輸出促進(2013年度4.7兆円→2020年度10兆円)
農地集約、生産資材のコスト削減、農産品の流通構造改革、スマート農業(遠隔監視、無人自動走行)、産業界と農業界の連携

(8)観光立国(外国人消費額15年3.5兆円→20年8兆円→30年15兆円)
訪日外国人と日本人の旅行消費額は15年25兆円→30年37兆円、地域観光経営の推進、広域観光周遊ルートの世界水準への改善、国立公園のブランド化、文化財の利用促進、休暇改革

(9)2020年オリンピック、パラリンピック見える化プロジェクト
PPP/PFIによる公的サービス、資産の民間開放拡大、10年間でPPP/PFI事業規模を12兆円に拡大、「改革2020プロジェクト」(自動走行・分散型エネルギー・先端ロボット等)

国内消費マインドの喚起

(10)官民連携により消費マインド喚起

その他で目に付くもの

世界的研究拠点5ヵ所創出、人工知能司令塔設置、ベンチャー支援コンソーシアム設置、初中等教育でのプログラミング教育必修、日本版高度外国人材グリーンカード、長時間労働に向けた取り組み強化、女性の活躍促進(待機児童解消、ダイバーシティ経営)、高齢者の活躍推進、TPPによる中堅・中小企業の海外展開支援、インフラシステムの輸出

議員である楽天の三木谷氏は「世界の潮流を追いかけるのではなく先手を打つベき。必要なのは徹底的な規制改革」と、シェアリングエコノミーやフィンテックの環境整備、観光立国などを提言。

国土交通大臣提出資料の中にあったのが渋滞のピンポイント政策。毎週悩まされる東名高速大和トンネルの渋滞解消もあった。

【関連】もはや安倍政権の「自作自演」だ!永田町発の消費不況3つのポイント=斎藤満

【関連】「GDPマイナスは暖冬のせい」安倍政権は本当に消費増税をするのか?=落合陽平

「兜町カタリスト」』(2016年4月20日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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