フォルクスワーゲンが5月からボルツワーゲン(Voltswagen)に社名変更すると発表。物議を醸すも、エイプリルフールネタの早出しでした。意図的な炎上商法との見方もあります。(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)
※本記事は有料メルマガ『高梨彰『しん・古今東西』』2021年3月31日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。
独フォルクスワーゲン、4月1日用のジョークを先走って掲載し謝罪
ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンが可愛いフライングです。
米国フォルクスワーゲン(Volkswagen of America)が、「5月から『ボルツワーゲン(Voltswagen of America)』に社名変更します」とサイト上に掲載しました。
社名の冒頭「Volk」が、「Volt(ボルト:電圧・電位差など電気にまつわる言葉)」に変わっています。電気自動車の促進、意気込みを社名に込めたのだとか。
巷でも「本当に変えるの?」と話題に。
しかし、結論はワーゲン自身からアッサリ「エイプリルフールのネタ、冗談でした。誤解を与え申し訳ありません」と。
掲載されたのが3月29日。載せる時期が早過ぎたようです。
この一件、ネット社会における情報速度の速さや、情報が速過ぎることにより誤りへの寛容度が著しく減っている現実も示しています。
多分、担当者はウッカリ3月中に掲載してしまったのだろうと。冗談が通じるのは4月1日、しかも早朝だけですから。
意図的な炎上商法だった?
ただ、「確信犯かも」という解釈も成立します。経済関連メディアは一斉にこの出来事を報じました。おかげでワーゲン社の電気自動車への本気度も伝わります。
いわゆる「炎上商法」。これもネット社会が活性化させたマーケティング戦略です。やり過ぎると、ワーゲンのブランドイメージも傷つけるので、本当に炎上を狙ったのかは微妙ですけど。
そんな訳で、明日から4月。早いもんです。一個人としても、この春は新たな挑戦が控えています。少し前掛かりではあるのですが、それだけにワーゲンのフライングにズッコケてしまいます。春だから仕方ないのでしょうか。
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いよいよ新年度相場、米経済指標に要警戒
さて、市場では米10年国債利回りが一時1.77%まで上昇、米国債の売りが強まる場面がありました。しかし、株価がもたついたことなどで引けでは1.71%まで戻しています。
4月に向けては、景気回復期待やインフレ率上昇想定による米長期金利上昇と、この動きを嫌気するハイテク株の動きとの綱引きが主なテーマです。
昨日3/30(火)の場合、米株安が米長期金利上昇を抑えました。この図式が変わるとき、米株安でも長期金利上昇が収まらないとき、市場は物凄く不安定化します。
カギはインフレ関連指標にあります。データの裏付けがあれば、長期金利上昇も止まりません。
先ずは1日に出て来る3月分のISM製造業レポートに注目です。2月分の景況指数PMIは60.8と、強弱の基準50を大きく上回る水準でした。世が世ならFed(米連銀)は利上げです。
3月分のデータも強ければ、米国債は素直に売り反応を示す公算が高そうでして、金利上昇、ついでに米ドル高バイアスも促します。
ドル円が110円台に乗せて来たのも、その前哨戦でしょうか。
少なくとも、経済指標が強ければすべて良いという環境にはありません。エイプリルフールに出て来る指標ですが、そこに冗談が入り込む余地はなさそう。
ヘッジファンドの損失とそのトバッチリも含めて、全体的に心理が不安定化しつつあります。
まとめ
・独フォルクスワーゲン、4月1日用のジョークを先走って掲載し謝罪
・米長期金利上昇と米株安、オンとオフの図式が崩れるか微妙
・1日公表のISM製造業、冗談では済まないようです
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- ワーゲンの「炎上商法」と、冗談じゃ済まない不安定さ(3/31)
- 大規模損失が出ても、インフレにならない限り(3/30)
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『高梨彰『しん・古今東西』』(2021年3月31日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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