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日経平均“気にしすぎ”投資の危険性。「活況なのに儲からない」個人投資家がハマる罠=街

証券関係者が「株式市場が活況なのに自分は全然儲からない。どうしたら良いのか?」と言う問い合せが増えていると言っていました。日経平均株価が乱高下していますが、こだわりすぎないよう注意が必要です。(『億の近道』街のコンサルタント)

プロフィール:街のコンサルタント
20数年間を金融(主に証券)会社で過ごし、投資銀行業務や事業育成の業務を担当。「金融機関に籍を置く(安全な)立場で客観的なことを言うより、いっそのこと経営者と同じ立場で事業拡大のお手伝いを出来ないものか」と思い立ち、2005年春に証券会社をリタイアしてコンサルティング会社を設立。

金利上昇を織り込む市場

いよいよ本格的な春です。時間はかかりますが、いずれはコロナワクチンの普及とともに生活・事業環境が改善されてくるはずです。とは言えコロナ前に戻るのではなく、新しい環境への模索が続くのでしょう。

半年ほど前には、失業率の改善などで労働市場が戻らなければ総可処分所得も増えず景気が停滞する。そうするとFRBをはじめとした主要各国の金利が上がるどころか下げ続ける懸念があると書いていましたが、現在は当時の環境と違ってきているようです。

想定した以上に断続的で大型の財政政策(バラマキ)が続いており、中国経済の拡大に牽引された景気回復への期待感も強くなってきています。

今後の米国の財政拡大予想も踏まえた金利上昇を織り込み始めているようです。

とは言え、ビットコインやゲームストップ株に代表される金融市場の過熱を感じるFRBが今以上に強い緩和策を執ることは難しくなりつつあると思われますが、今のところ縮小に転じる気配はありません。

現状の緩和策を維持する一方で財政政策だけが拡大する方向に進めば金利は上がりやすくなります。依然として実質金利はマイナス圏ではありますが、FRBの今後の動向により、これが解消される程度(2%前後)までは金利が上がることも視野に入れておきたいところです。

緩和マネーの滞留と市場金利の上昇という、難しい局面に入っています。特に一昨年の景気と比較して、株価指数が(2019年12月末比)30%も上昇していることについても専門家の意見は割れているようです。

日経平均に惑わされるな

何度も書いていますが、構成比の偏りにより一部の銘柄次第で乱高下する日経平均株価ばかりに目がいかないよう注意が必要です。

何せ構成比上位銘柄の値動き次第ですから、あまり参考になりません。

知り合いの証券関係者は、今年に入ってからは「株式市場が活況なのに自分は全然儲からない。どうしたら良いのか?」と言う問い合せが増えていると言っていました。大半の個人投資家が上昇を続ける指数を見ながら自身が保有する株式が上がらないことに苛立ちを強めている様子が分かります。

これは個人に限らず機関投資家も含めた大半の参加者の気持ちではないかと思いますが、指数にベットする投資家中心で動いていますので、今はそんな市場なのだと納得するしか手は無いと思います。

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