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先物主導の乱高下相場を作り出すCTA「1枚アルゴ」の特徴=街

最近は「1枚アルゴ」というのがあり、先週からはそのプログラムがマーケットを主導していると聞きました。細かな売買が一方向に続くことで値動きが大きくなるのだそうです。(『億の近道』街のコンサルタント)

プロフィール:街のコンサルタント
20数年間を金融(主に証券)会社で過ごし、投資銀行業務や事業育成の業務を担当。「金融機関に籍を置く(安全な)立場で客観的なことを言うより、いっそのこと経営者と同じ立場で事業拡大のお手伝いを出来ないものか」と思い立ち、2005年春に証券会社をリタイアしてコンサルティング会社を設立。

アルゴリズム取引が作り出す特徴的な値動き

先物主導の乱高下

株式市場は先物主導で乱高下しています。先週の日経平均株価は3日間で1,160円も上げ、今週の月曜日は一転して500円を超す下げとなり、そして火曜日はまた500円以上も上昇するなど何かと派手に動きます。

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4月に入ってから19日火曜日までの13営業日のうち、2%以上の大きな値動きは半分近い6営業日となりました。

日経平均先物 日足(SBI証券提供)

今年に入ってからは企業業績の低迷が予想されて株式が売られ、それに伴って円買いが進んでいるといった解説が多く聞かれます。

以前は為替の動向によって企業業績が左右され株価が上下すると言われていましたが、今年は理屈が逆になっているようです。

CTA(商品取引顧問業者)の1枚アルゴ

最近は「1枚アルゴ」というのがあるらしく、先週からはそのプログラム(裏側はCTA)がマーケットを主導していると聞きました。

先物の細かな売買が一方向に続くことで値動きが大きくなるのだそうです。一方の個別では、テーマ(材料)を絞った短期売買の勝率が高いそうです。

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極めてボラタイルな市場、最近のクセと傾向は?

いずれにしても大きく動かしたいファンドによる先物売買が中心ですから、以前にも指摘した通り、上へも下へも大きく値動きが増幅しやすくなっています。

激しく乱高下する市場では、資産作りを目的とした中長期の投資には十分な注意が必要です。

最近の傾向では、動き出すと数日間は同じ方向に向かい、TOPIXベースで1,200〜1,400のレンジで上下動を繰り返しています。

当面は主要企業の業績予想でサプライズとなる発表や大きな政策変更がない限りこのレンジが続きそうな雰囲気ですし、これを超えて売買されるほどの材料は何だろう?と考えている次第です。

このレベルで安定している限り、また国内の景気動向にも大きな変化が見えない限り、来週の日銀会合に余計な期待を持ってもいけないと感じます。

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億の近道』(2016年4月21日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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