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赤字家計の原因「保険貧乏」が増加中。貯蓄型保険でお金が貯まらないワケ=川畑明美

保険にお金をかけすぎて、家計が赤字になっているケースがよくあります。特に貯蓄性のある保険は、マイナスからの資産運用ですから、お金を貯めるには効率が悪い方法です。(『教育貧困にならないために』川畑明美)

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プロフィール:川畑明美(かわばた あけみ)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。

「保険貧乏」が増えている

家計が赤字になっているご家庭の収支を拝見すると、「保険貧乏」の傾向の方が少なからずあります。

保険に毎月5〜6万円ほど支払っていたり、すごい方では月15万円という方も。

とくに貯蓄性のある保険は、マイナスからの資産運用ですから、お金を貯めるには効率が悪いのです。

マイナスからの資産運用とは、どういう意味なのでしょうか。

貯蓄型保険はマイナスからの資産運用?

「積立定期」など毎月一定額を貯める預金の場合、1年後に解約したとしても、積立したお金が全額もどってきます。

ところが、貯蓄性のある保険を1年後に解約したら、マイナスになってしまいます。

これって、変だと思いませんか?

どうして1年後に解約すると、マイナスになってしまうのでしょうか。

それは、販売した営業担当者や代理店に支払われる経費を差し引いてから、積立金に回るからです。

Next: 貯蓄性のある保険の返戻率が急減中?定期的に契約内容の見直しを



貯蓄型保険を使うより、自分で資産運用をした方がお金は貯まる

それでも以前は、払った金額に対して受け取る金額の割合である「返戻率」が高い時代もありました。

ところが、2016年にマイナス金利が導入されてから、貯蓄性のある保険の返戻率も大きく下がってしまったのです。

また返戻率は「利率」とは違うので、ご注意くださいね。

利率とは、額面金額に対して受け取る利息の割合を指しています。例えば100万円を預金して、1年後に利息1万円を受け取れるのでしたら、利率は1%です。

一方、返戻率には時間軸がありません。なので、満期までの返戻率を1年の利率に換算して考える必要があります。

例えば100万円を、複利1%で運用した場合、10年運用を続けた場合の返戻率に換算すると、108.29%となります。

最近の個人年金保険で返戻率の高いものは、105%程度のものが多いです。

35歳で加入して65歳まで払い込みをして105%の返戻率だとすると、保険を活用するよりも、自分で資産運用をした方が、はるかにお金を増やせます。

年利たった1%の運用でも、10年で上回ってしまうのです。

しかもマイナスからの資産運用ではありませんから、翌年に引き出したとしても、マイナスにはならないのです。

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教育貧困にならないために』(2021年8月6日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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