最近、雑誌や新聞で頻繁に取り上げられる「日本貧乏化論」。私たちは貧困化が進む日本でどう生きればよいのでしょうか?豊かに暮らすための3つの方法を提案します。(『一緒に歩もう!小富豪への道』田中徹郎)
株式会社銀座なみきFP事務所代表、ファイナンシャルプランナー、認定テクニカルアナリスト。1961年神戸生まれ。神戸大学経営学部卒業後、三洋電機入社。本社財務部勤務を経て、1990年ソニー入社。主にマーケティング畑を歩む。2004年に同社退社後、ソニー生命を経て独立。
貧しくなった日本
ここのところよく「日本貧乏化論」みたいな話を耳にします。
『週刊ダイヤモンド』8月28日号も「安すぎ日本」と題した特集が組まれていますし、日本経済新聞も「安いニッポン」というタイトルで1年ほど前から同様の記事を断続的に掲載しています。
たしかに日本人の給与水準は、ここ20年ほど上がっていませんし、この間、お隣の韓国にも抜かれてしまいました。
ここ20年で、私たちが相対的に貧しくなったのは間違いないと思います。
この現実に対して、私たちはどのように向き合えばよいのでしょうか?
対処法その1:「足るを知る」
1つ目の選択肢は、「足るを知る」と達観してしまうことです。
貧しくなったといっても、相対的なものです。
たしかにこの20年、収入は増えていません。しかし、幸いにもこの間はデフレが続き、私たちの生活水準は悪化していません。
むしろインターネットや車の自動化、あるいは大画面テレビの普及などによって、私たちの生活は便利になったと言えるでしょう。
ならば、韓国や中国の富裕層などに収入で負けても、何か問題があるでしょうか。そう思えれば、これ以上の豊かさを追及する必要はありません。
将来的には財政の問題など出てきますが、少なくとも当面、こんな考え方があってもいいと思います。
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対処法その2:自分のスキルを磨いて就職・起業する
もう1つの「貧困化への向き合い方」は、自分のスキルをもっと磨き、外資系企業や日本の成長企業に就職するという考え方です。
あるいは、自ら起業してしまうという考えもあってよいでしょう。
大半の日本人のお給料が増えないのは、世界的に見て、私たちのスキルが低くなっているからという見方もできます。
本来は日本全体の生産性を上げるべきですが、それは政治家の仕事ですし、そもそも個人という単位でみれば、そんな悠長なことをやる時間的な余裕はありません。
ならば、自分だけは地盤沈下の波に飲み込まれることなく、スキルを磨き、それに見合った給料を得る。こう考えることは、前向きで健全な志向ではないでしょうか。
対処法その3:成長性の高い国で資産運用する
そして3つ目の「ニッポン貧困化対策」は、自分の資産を成長性の高いエリアで運用し、日本の地盤沈下から切り離すという考えです。
幸いなことに、経済はグローバル化が進んでいます。日本にいながら海外資産で運用するのは、さして難しくありません。
個別企業を見ることができるなら、外国株の個別銘柄を買うのも良いと思います。その自信がない人は、世界株のETFでも構いません。コインや貴金属のような実物資産もアリですし、外国の債券も悪くありません。
このように、私たちが世界の成長と連動する資産を持つならば、物価が「安いニッポン」は、むしろ私たちにとって快適な環境になるでしょう。
Next: 貧困が進む日本でどう生きるか? 傍観していたら苦しくなるだけ
傍観していたら苦しくなるだけ
3つの選択肢を要約しますと、以下のようになります。
1. 「足るを知り」、いたずらにお金を増やそうとしない
2. 自らのスキルを磨き、世界標準の収入を取りに行く
3. 自分の資産経由で世界の成長性を取り込む
僕はこの3つの選択肢のうち、どれを選んで良いと思います。人それぞれ考え方もありますし、得手不得手もあるでしょう。
でも、何も選択せず、現実を直視せず、ただただ地盤沈下する日本に身をゆだねるのなら、20年後にもっと厳しい現実と向き合うことになるでしょう。
『一緒に歩もう!小富豪への道』(2021年8月25日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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