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日本だけ「トラベルバブル」に入れず孤立。国内限定“GoTo再開”では経済回復は望めない=栗原将

「GoTo」再開時期と内容が話題になっていますが、日本はいまだに国内だけに目を向けていて、観光客を呼び込もうとする動きが見られません。シンガポールほか海外では、隣国同士が1つのバブルの中にあると見なして往来規制を緩和する「トラベルバブル」を実現しています。(『海外移住から帰国した50歳男子の北海道くらし日記』栗原将)

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「トラベルバブル」で旅行者の往来規制を緩和

シンガポールのニュースを見ていたら、「シンガポールと韓国がトラベルバブル開始」というニュースが流れてきました。

韓国の中央防疫対策本部は、11月15日開始の韓国とシンガポール間のトラベルバブルについて、シンガポールから韓国への入国に対する防疫体制を構築したと発表した。シンガポールとのトラベルバブルは、隔離免除書を所持していない外国人を対象に、海外でのワクチン接種を韓国国内でのワクチン接種とみなす初の措置となる。

※出典:韓国・シンガポール間のトラベルバブル開始、ワクチン接種証明にアプリを活用 – ジェトロ(2021年11月17日配信)

「トラベルバブル」ということで、互いの国の旅行者が往来可能となるわけですが、タイでも旅行者の受け入れが始まっていたりと、世界的な動きになっています。

日本国内限定「GoToトラベル」では効果が薄い

一方の我が国・日本ですが、入国制限は緩和されてはいるものの、対象はあくまでビジネス等を目的とする入国者であり、外国人旅行者の受け入れについて、メディアから聞こえてくるものはありません。

雰囲気的には、まずは、日本国民対象「GoToトラベル」から、といったところなのでしょう。

私自身、現在は北海道というコロナ前はたくさんの外国人観光客で賑わっていたところで暮らしていますと、日本人だけでは旅行で落とす金額が小さ過ぎて、経済的なインパクトは大したものではないと感じています。

罰則がなければ外国人はルールを守らない

では、どうしたらいいのか?と考えてみたのですが、あえて、暴論を述べたいと思います。

日本の間違いは、外国人・外国人旅行者に対して、行動制限や厳格な罰則を与えられないことにある思います。

東京オリンピックの際、外国人記者と見られる人たちが定められていたエリアから出て、コンビニで買い物したり外食している様子が報道されていました。結局は「罰則がないから守られないだけ」なのです。

日本人以外にとっては、「罰則無しのルール=守る必要ない」という認識でしかありません。

加えて、「ご理解、ご協力を〜」というのも、日本人以外にはまったく響かないワードで、理解・協力しても自分にメリットがないなら従いません。

このあたりを、いまだに日本人の感覚で「“ご理解お願いします”と言えば、従ってくれるだろう」といった感覚で受け入れるから、おかしなことになるのです。

Next: 滞在場所限定 、アテンダント同行ツアーならすぐにできるはず



滞在場所限定か、アテンダント同行ツアーなら日本も可能

どうやってコロナ禍でも日本に観光客を呼び込むか。

どこかの島への滞在限定にするか。あるいは、自由行動禁止・すべてアテンダント帯同ツアーで受け入れる方法が考えられます。

例えば、タイのプーケットでは、入国後14日間はプーケットから出られない条件で外国人を受け入れていました。日本でも、島か、往来が制限できる場所で参考にしても良いのではないかと。

あるいは、自由行動は一切禁止で、すべてアテンダントが同行するツアー。アテンダント等の人件費はもちろん、ツアー代金に乗せるのですが、海外の少しお金を持っている層から見れば、今の日本の物価は激安です。

日本の感覚では、行動制限とか強制力は嫌がられるものですが、コロナ対応において、世界の大多数の国が強制力で行動制限してきましたし、ロシアのように平時であっても外国人旅行者は事前に行動計画の提出が必要だったりするものです。

そして、日本が決めた旅行ルールを事前に告知して旅行客を募集すればいいのです。

その内容が不満な人は参加しなければいい、それだけのことです。

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image by:Blue Planet Studio / Shutterstock.com

海外移住から帰国した50歳男子の北海道くらし日記』(2021年11月16日号)より
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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9年間のタイ、フィリピンでの海外移住生活から帰国し、北海道暮らしをはじめた50歳男子が、久々の日本生活から感じることや、海外生活のメリット・デメリット、そして、地方暮らしの実際について独自目線で語っていきます。

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