バイデン米大統領が「台湾防衛の意思がある」と明言しました。つまり、「中国は台湾を侵攻する意思がある」と米国では評価されている…ということを、満天下に示したことになります。これを公式に認めてしまうことは、中国と軍事的にも経済的にも戦争状態になるのであろうな、と思います。(『角野實のファンダメンタルズのススメ』)
※本記事は有料メルマガ『角野實のファンダメンタルズのススメ』2022年5月24日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:角野實(かどの みのる)
大学卒業後、金融機関に10年ほど勤務。独立して投資家の道へ。現在は企業経営者として活動、FX関連の執筆を多数行っている。
バイデン「台湾防衛の意思がある」
日米首脳のために訪日していたバイデン米大統領が、「台湾防衛の意思がある」と明言したことが話題になっています。
つまり、「中国は台湾を侵攻する意思がある」と米国では評価されている…ということを満天下に示したことになります。
こんなお間抜けな発言を連発する御方を、アメリカ人はいつまで米大統領として放置しておくのであろうと思います。
これを公式に認めてしまうことは、(たぶん、報道官などが否定に走ると思いますが、)中国と軍事的にも経済的にも戦争状態になるのであろうな、と思います。
ただ、その方向性に向かっていることは、潜在的には認めてしまったということです。そんな非現実的なことを認めてしまうのか、と車でラジオを聴きながら思った角野。おかしいのは私なのだろうか、とまじまじと考えてしまうけど、この解釈で合っているよね、と今のところ思ってしまいます。
いよいよ第2次東西冷戦へ
この発言は、欧米日と中ロの決定的な決裂を意味し、いよいよ第2次東西冷戦なのね、という解釈が成り立ってしまうことに恐怖を覚えます。
たとえばロシア制裁。西側メディアは盛んに、ロシアは中長期的には国力を失い、衰退していくと実しやかに宣伝していますが、同じことをやっている北朝鮮は元気にミサイルを発射しています。
オバマ時代にも、史上最高の制裁と宣伝して、数年後は経済危機に北朝鮮は陥るであろう…と、今と同じことを言っていました。それをもうお忘れなのかね、と思います。
数年後にはみんな、そんなことを忘れているよ、とアメリカもメディアも私たちを舐めきっているのでしょう。私のようなド変態はこういうことを覚えているのです。その後、トランプが将軍様と会談という劇的なニュースにかき消されているだけの話です。
何度も言うように、以前、デカップリングというのが話題になりましたが、そんな非現実的なことがなりようがない、ということで消されていった話題ですが、現実問題になってきているということです。
この場合、中ロが衰退するというのでしょうが、私たちもその衰退の被害を受けます。日本だけではなく欧米も、ということになります。
要するに、ロシアは直接的な影響はありませんが、中国からの利益は欧米日が相当な利益を受けている。それがなくなる、半減でもしたらどうするのかね…と思います。
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いま中国まで刺激して大丈夫か?日本も被害を避けられない
以前も当メルマガで記しましたけど、今までは世界が協力しあって、世界の成長率をスピードアップさせていたのです。
これをプラスサムと言いますが、デカップリング(引き離し)が行われれば、双方が双方の利益を奪い合うゼロサムゲームになるということです。そこには必ず、勝者と敗者が生まれます。
欧米がその勝者になるのが前提条件で、そういうことをやろうとしているのです。
勝つのは欧米、というのは本当に自分にとって都合のよい話であり、今の中国の態度などみていると、プラスサムの方を望むと余裕綽々の態度で言っていることに不気味さを覚えます。
中国もロシアも「勝つの自分たち」と思っているのでしょう。
こういう情勢をみていると、ロシアも自信過剰と思いますが、欧米は輪をかけて自信過剰と感じます。
本当に大丈夫か?と思ってしまうのは、私だけではないはずだと思います。
信用できぬ「ロシア劣勢」の報道。台湾有事まで起きれば株式市場は…
ロシアが数年以内に衰退、ロシア軍は不利と一斉にメディアは報じていますが、ま、ほんとかね、と思います。
長い目でみれば、ロシアの利益が減るのではなく、世界の利益が減ると考えています。
こうした場合、マーケットの影響は、たとえば日経とダウの関係をみた場合、最近はそれほど連動していませんが、だいたい連動をしています。つまり世界の株価は影響しあっているのです。
このピースの中に中国もロシアも含まれており、中国は世界2位の経済大国です。それが抜ければ、時価総額も抜ける。その影響は甚大であることは、誰にでも想像がつくことです。
むしろ、ここ数十年、中国の経済拡大がマーケットのテーマだったのですから、それがなくなれば、たぶん、投資資金が株式から現金に流れ込むのではないのかな、と考えています。
Next: 失言では済まされない。バイデンが世界経済を混乱に陥れる
失言では済まされない。バイデンが世界経済を混乱に陥れる
この中国というパズルのピースを抜こうとしているのがアメリカで、とんでもないことをバイデンは言っているのです。
言葉以上の影響力…つまり、私たちの生活に影響があるとは考えています。もう、本当にどうしようもない奴!と思います。
失言で済む話ではないのです。
就任当初、プーチンを「人殺し」と言い放ち、この状況を生み出したのはバイデンです。今回も中国と喧嘩して、結局、最後は「中国はアメリカの言うことを聞け」と言って、ロシアと同じような状況を生み出すのでしょう。
なぜなら、彼は自分の失敗を他人に押し付ける天才だからです。プーチンを人殺しと思っていても、心の内にとどめておくべき話。今回の台湾の話も同様です。
それを相手の責任にして、今のような結果を生み出していると私は思っています。
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『角野實のファンダメンタルズのススメ』(2022年5月24日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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