米国株やETF投資をこれから始めようとする人は、今の円安の状況を気にしているかもしれません。でも為替の心配は無用で、株価を基準に普通に購入すれば大丈夫。その理由を説明します。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
円安だから米国株投資できないは本当か?
米国株や米国のETFの投資方法を教えていると「今は円安なので投資できない」と、いう方が多いです。
ドルが高いので今購入したら損してしまうと思っているのでしょう。
ですが、それは本当なのでしょうか?
税金のことも考えて欲しいのです。
1ドル134円とかなりの円安水準ですが米国株は値を下げています。
NYダウも880ドルも下がっています。
例えば1ドル=135円の時に株価1ドルの株を1万株買ったとしましょう。
3年後株価は、1.5ドルに上がっていましたが、1ドル110円まで円高が進んだところで売却した場合です。
税金は、円建てで考える必要がありますから売却時は、
1.5ドル×1万株×110円=165万円です。
購入時も円建てで考えてみましょう。
1ドル×1万株×135円=135万円です。
利益は、30万円になります。
為替の利益も課税される
もしも為替が変わらず売却時も135円でしたら、売却時の価格は1.5ドル×1万株×135円=202.5万円です。
課税される金額が37.5万円も変わってくるのです。
3年で株価が1.5倍になることは、珍しいことではありません。
為替の影響よりも株価の上昇の方がリターンが高いのですから、あまり為替のことは考えなくても良いのです。
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為替は無視。株価が下がった時に購入すればいい
もちろん円高の時にドルを円にしておけば、その分為替の利益もあります。
ですが、円をドルに変え、しばらく保有した後、そのドルで米国株を購入した場合、円を米ドルに変えた後、米国株を購入するまでの間に為替差益があれば、その為替差益について課税されることになります。
利益が出ていれば、必ず税金は課税されます。
もちろん利益が出た方がいいのですが、株価が下がっても為替益があると税金が課税されるケースもあります。
要するに株価が下がっている時に購入する方が大事ということです。
『教育貧困にならないために』(2022年6月13日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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