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「底辺の職業ランキング」エッセンシャルワークを蔑む記事を公開の就活サイトが大炎上。SNS上では「Webライターこそ底辺」と職業差別の連鎖も

「就活の教科書」という就職情報サイトにおいて、「底辺」とされる職業をランキング形式で紹介する内容の記事が公開され、「職業差別だ」との批判が殺到する事態となっている。

報道によると、当該記事は「世間一般的に呼ばれている底辺職業ランキングについて解説していきます」「底辺職の特徴やデメリット、底辺職を回避する方法について紹介していきます」などと銘打ち、12種類の職業を平均年収とともに紹介していたとのこと。ちなみに記事の監修者は同社の社長となっていたようだ。

記事は2021年5月以前に公開されたもののようだが、最近になってツイッター上で瞬く間に拡散した模様。批判の声が高まったこともあってか、記事は今月28日までに削除されたという。

記事監修者へのリンクは早々に削除済みか?

渦中のサイトを見てみると「大学生の悩みを解決するコラムを1,600記事以上用意」とあり、主に新卒生向けに発信している就職情報サイトである模様。「累計3,500万PV」「月間200万PV」などといった記載もあり、大学生の間で一定の支持を集めているようである。

報道では、今回の騒動に関して当該サイトの運営会社は「事実関係を確認し今後の対応について検討」といった回答をしているようだが、30日午後の時点では、サイト内に今回の騒動に関する説明は無し。

具体的な対応は追々といったところのようだが、ちなみにサイト最下部にある「運営責任者(監修者)」というリンクのは、すでに「お探しのページが見つかりませんでした。」という状態に。さらに、サイトの運営責任者で運営会社社長でもある人物のツイッターアカウントも、6月25日の投稿を最後にツイートが途絶えているようだ。

今回の記事においては、「底辺」だと紹介されていた職業のなかに「ゴミ収集スタッフ」「介護士」「保育士」といった、社会インフラの維持に必要不可欠なエッセンシャルワークも多く含まれていたこともあり、当然のように広い層からの怒りを買う格好に。

さらには「コンビニ店員」「飲食店スタッフ」といった、日々の生活で誰もが関わり合いのある職業も多く含まれていたことから、「もうコンビニも外食も利用するな」といった声も多くあがっている。

問題の記事はインターン生による執筆の可能性も

記事の内容の酷さもさることながら、運営側の対応にも「逃げ腰」といった部分も多分に見受けられるとあって、記事削除後もSNS上での批判の声は鳴りやまぬといった状況。

そんな批判のなかには、「こんな記事を世に出したライターやサイト運営者こそ底辺」といった声も。Webライターが底辺だという指摘が尤も至極なのはともかくとして、いうなれば職業差別を孕んだ内容の記事を職業差別で批判するという、何ともいただけない構図となっているようだ。

ちなみに、渦中のサイトを改めてチェックしてみると「ライター募集中」というページがあり、そこではWebライターのインターン生が募集されている。

その説明文には「初心者でも1~2ヶ月程度ですぐに慣れられます」「既存のインターン生もほぼ全員が初心者」といった文言があることから、どうやら問題となっている記事も、こういったライター歴どころか社会経験のほとんどない学生たちによって執筆された可能性が高そうである。

となれば、その記事の内容はもとより、そもそものテーマ自体からも感じられる視野の狭さに関しても「さもありなん……」といったところで、記事内容を公開前に精査する立場であろう人間の責任が、なおさら問われることとなりそうだ。

Next: 「世界は誰かの仕事で出来ているのを理解できないんだろうな」



ツイッターの反応

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

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Image by:Shutterstock, Inc.

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