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機関投資家の狙いが一目瞭然。中小型株で個人投資家が勝つための3つの法則=新天地

仕手筋や機関投資家が株価の上昇を確信し、ホールドする(アキュムレーション)があると大相場が起きる可能性は極めて高くなる。しかしそのようなときに、機関投資家は個人投資家を振り払うために騙しの売買をしてくる。とくに中小型株では、その動きが顕著に現れるので、個人投資家が機関投資家の戦略を出し抜く方法を伝授する。(『新天地の株式投資日記』)

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※本記事は有料メルマガ『新天地の株式投資日記』2022年11月27号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月分無料のお試し購読をどうぞ。実際に配信されたサンプル号もお読みいただけます。

プロフィール:新天地
祖父の影響で子どもの頃から株の売買を行う。証券会社で自己売買業務を経験後に退社、現在はデイトレーダー。メルマガでは主に脱初級・中級者向けに、東証・NYの市況(市場雑感)、相場の考え方、取引手法などを解説。一般に書かれることが少ない空売り戦略や取引アルゴリズムに関してもプレーヤーの立場から丁寧にフォローする。

大相場で起きるアキュムレーション

大きな相場(株価上昇)には「アキュムレーション」(ギャンによれば事情通が株を買う、現代で言えば仕手筋や機関投資家か上昇を確信して株を買い集めてガッチリホールドする)が必要だと何度か書いた。

それは市場を代表するような大きな株の場合、安値圏で長い時間をかけてゆっくり行われるのが普通。よほど注意してみていないとわかりにくい。わかったところで、この間に一緒に株を買っても「株価が動きにくい」ので、割に合うかというとなかなか割に合わない。

参考 株価の一生(一般的な「大きな株の場合)

大型株ではアキュムレーションは株価が低位にあって、なおかつ値動きが少ない間に、静かに長い期間をかけて行われる。「事情通」(機関投資家や仕手筋など)たちが十分に株を買い集め余分な株が市場に出にくくなり、株価は上昇を始める。

中小型株で儲ける3つのポイント

ところが、中小型株(あるいは日本んで言うところの旧マザーズなどの新興市場の株。時価総額が1,000億円に満たないような数百億円くらいの小さな株)では、アキュムレーションは大きな株の場合と異なる。

今日のメルマガはこれだけで数万円から数十万円の価値があると思ってます。北斗神拳の一子相伝くらいの価値があると思っている(大真面目に)。

ポイントは
「相場上昇にはアキュムレーション(株価の買い集め)」が必要。
「中小型株の場合は『特殊』なアキュムレーションか行われる」。
「その特徴をつくことで勝率を大きく上げられる」

この3点。

つまり「中小型株は普段、特に安値圏では売買高が少なく、静かに株を買い集めることが不可能に近い」という特徴がある。 静かに買い集めようとしている間に上を買われたら、自分か集める前に株価が上がってしまう。

中小型株だから、大きな投資家にとってはそもそも株を買い集めにくいのだ。

Next: 大きな投資家はどうやって株を集めていくのか?



機関投資家の戦法

ではどうするか?

現在値よりもどんどん上まで買っていく。静かに買い集めるという大型株とは真逆の方法をとるのだ。どんどんと上まで買う。ただしそれは 「値段が欲しいんじゃなくて株数が欲しい(=アキュムレーション)」。上まで買っては手を抜いて下げさせ安くし、また上まで買っては株を集める。

自分の買いで株価を上げてしまう(高いところを買わされてしまう)リスク、それを背負ってでも株を買い集めることでアキュムレーションを進める。

さらに。手を抜いて値段を下げる。こうすることで、ただ上値を掴むのを避ける。

イメージ図

株価が大きく上昇する局面(1)で出来高が大きく増えていることに注目して欲しい。つまり誰かがここで値段が倍になってもいいから、と株を買い集めに入る。ただし無限に買い上がっていってしまっては値段も上がってしまい自分が売り抜けにくくなってしまう。

そこで手を抜いて売らせる。ここ(2)で出来高が大きく減っていることに注目してほしい。ずっと買い続けたやつが手を抜いたから、買い手が減って出来高が減り株価は下がる。

そして値段が十分に下がったらまた買いを入れる。以下繰り返しの局面、上がるときは出来高が増え、下がるときは出来高が減る。こうして株価は大きな上昇を伴いながら「アキュムレーション」が進んでいく。大型株と全く異なるアキュムレーションが数ヶ月かけて進行していく。

言葉で言うと簡単だが、この時手を抜いて下げさせて下がりっぱなしになってしまえばそれだけで多額の含み損を抱える。リスクを抱えながらの株集めになる。

くどいけど押したらまた上まで買う。上まで買ったらまた手を抜いて下げさせ、また上まで買う。中小型株ではアキュムレーションと最安値からの大きな上昇(しかも結構大きな反落を伴う)が同時に発生する。この点がひたすら静かな間にアキュムレーション(=株集め)を行う大型株と全く異なる点だ。

中小型株の大相場で個人投資家がやるべき基本戦略

つまり、中小型株が安値圏からいきなり急上昇し、その後、大きな上下動を繰り返して下値を切り上げていく場合、「誰かがアキュムレーションを行なっているんだな」と考えて間違いない。

もしあなたがその銘柄についてポジティブなニュースを手に入れるなら、それは確信に変わるだろう。

ならば、その銘柄が下落したところは買いに回るべきだろう。誰かがアキュムレーションを高値まで行っているということは、相当に上がると確信して買い集めているはずだからだ。

さらに、中小型株を買い集めた人間が、その買い集めた株を売り払おうと大きな売りを出したとき、中小型株は売買に厚みがないから自分の売りでどんどん値段を下げてしまいかねない。

でもそれって、逆に言えば、中小型株を買い集める人間は、現在値よりもかなり上まで買わなければ買い集め=アキュムレーションを行うことができない。さらに中小型株を大量に売り捌くと、大きく値段が下がってしまうというハンデを抱えて勝負しなくてはならないということでもある。

さらに、しかしながら、それらのことを勘案すると「そんな不利を抱えているにも関わらず、高いところまで買いに行ってアキュムレーション(=株集め)をするということは、そんな高値まで買い上がっても、その株を十分に売り払えるだけのさらなるもっともっと高い値段まで株価が上がる、と考えて10億円とか100億円とか突っ込める自信がある、ということでもある。

ならば僕らはこのような派手なアキュムレーションが行われている中小型株の安値からのいきなりの急騰急落を急落した場面とか、急騰急落のレンジを離れた局面で買いに出る価値があるだろうと考える。

これが僕らが中小型株の大相場についていくために基本戦略になるだろう

Next: 荒れる中小型株は半分を種玉に取っておく



荒れる中小型株は半分を種玉に取っておく

そして中小型株だけに値動きも荒っぽくなる。

こういう時こそ、以前書いた建玉法を意識するのだ。

つまり、半分はタネ玉と考えてずっとホールドすることを優先する株。半分は上下動を取りに行くことを考え「吹き値売りツッコミ買い」に徹するのだ。

こうすれば全部売ってしまって相場に置いていかれるのを防げる。逆に急上昇旧反落の場面で利益を取り損なうリスクを減らせる。一部分でも利益を得ておけば、その後、相場を読み間違っても最低限の利益は残る。

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(筆者注:このメルマガは新天地の考え方を書いたもので、特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。)

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  • NY雑感 パウエルの利上げ減速発言でグロースから大幅高(12/1)

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  • 相場雑感(11/30)
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新天地の株式投資日記』2022年11月27日号より一部抜粋
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