皆さんは株式会社“岸田”に投資する気になるでしょうか。「何か目新しいことをしたがる」という、たいがいの新社長に当てはまるようなことをやっているね…というのが私の印象。たとえば、少子化危機に対して、なんで現金を配ることしか頭にないのだろう?と思います。短期的効果と長期的効果がまったく区別できないから、変なことばかり行うのだろうなと思います。(『 角野實のファンダメンタルズのススメ 角野實のファンダメンタルズのススメ 』)
※本記事は有料メルマガ『角野實のファンダメンタルズのススメ』2023年1月23日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:角野實(かどの みのる)
大学卒業後、金融機関に10年ほど勤務。独立して投資家の道へ。現在は企業経営者として活動、FX関連の執筆を多数行っている。
現金を配れば支持率回復?
岸田さんが日曜のテレビ番組で日銀総裁の交代を明言したことから、黒田さん続投の目はなくなりました。
岸田首相については、「新社長は何か目新しいことをしたがる」という、たいがいの社長に当てはまるようなことをやっているね…というのが私の印象。たとえば、少子化危機に対して、なんで現金を配ることしか頭にないのだろう?と思います。
少子化が危機的な状況なのに、先日、静岡の保育園で適切ではない保育が行われていたようです。戦後、最小の新生児の数なのに、この状態なのです。ここに着目すれば、今後、岸田社長の取り組みによって、保育する子どもの数が増えた場合、もっとひどいことが起こるのであろう、と誰もが思います。
つまり、目先をしのげればよいという発想なので「現金を配る」という対策にしかならないのであり、新生児が増えれば、また待機児童が増えるということになります。そうなると劣悪な環境で、また前述のような虐待事件が起こる。これの繰り返しでしょう。
「現金を配れば、支持率回復」ということにしか頭にないのだろうなぁ…と私などは無い脳みそをふりしぼって考えることになります。
短期的効果と長期的効果をまったく区別できていない
短期的効果と長期的効果がまったく区別できないから、変なことばかり行うのだろうなと思います。
私であれば、保育園や幼稚園の粗製濫造を行います。急激にそういった設備を作れば、劣悪な保育士が誕生するのは当然のことです。そこで自由な競争を行わせ、淘汰を促進する、ということです。良質なサービスは若いパパ・ママにとって子どもを安心して預けられる拠り所になる、と思います。
それを保育の専門家は、安倍政権のときに、粗製濫造すると保育所などの倒産が増えるから心配だと騒ぐ。心配なのはわかりますが、サービス競争によって淘汰されるのが資本主義なのであり、それを一律に保護するというのは、社会主義というのです。
バカバカしくて聞いていられない、と思うのです。
岸田社長は短期的な効果しか考えていないでしょうし、専門家会議にしても頭がおかしいのではないか、と思います。カネを配れば解決という問題ではないでしょう。
「マインド」が日本社会・経済の問題点
そして、黒田さんがいつも言う「デフレマインド」という問題が保育・育児にも波及していると思います。
すなわち「子育ては大変だ」という意識が日本人全員に行き渡っており、若い女性に聞けばほとんどの人が「仕事は続けたい」と言うのに、さらには保育所問題がどうせ再燃するということは誰でもわかる問題なのに、現状に満足してしまっているということ。
一番の問題は社会で子どもを育てるという概念が無くなってしまった日本では、本当に大変だと思います。それが少子化の根本的な原因だと思います。
私が小さいころはだいぶ、前の話にありますが、梓みちよさんの「こんにちは赤ちゃん」という流行歌がありました。探せばユーチューブなどであるので聞いてみてください。誰でも不快感を持つような歌ではなく、子育てを促進するような歌です。でも、メディアをみていると大変だ、大変だという報道ばかり、デフレマインドと共通することだろうな、と思います。
要は、これだけ数値でインフレになっても、ずっとみなさん値上がりするとなんて思っていないでしょ?私もそう思っています。このマインドが日本経済の問題だ、と黒田さんは言っているのであり、原料素材価格が上昇すればきちんと販売価格を上げるという資本主義の根本的なところを戻さないとダメなのです。
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「カネを配るから子どもを産みなさい」の乱暴さ
問題は一時的に必ず起きます。そうすると、私から言わせれば、グダグダと愚にもつかない文句を言ってそれを廃案にしようとする。何かをよくしようとしたら、何かの問題が起こる、当たりまえのことです。
そして、その問題をクリアできない人などほとんどいません。クリアできないのは設定目標が高すぎるから頓挫するだけの話なのです。人はこういう問題をクリアしたから何億年も生き残り、成長している、という根本的なことがわかっていません。
「困る人がいるから補助金を配れ」とアホな議員がシャウトして、それが通ってしまう。そんなバカバカしいことが平気で行われています。
「子育ては大変」ばかりが先行しています。子どもを産み育てるというすばらしさを伝える、これは政府主導でないと無理でしょう。
カネを配るから、子どもを産みなさい…ってアホか!としか思えないのは、私だけではないでしょう。
すべて行き当たりばったりの株式会社“岸田”
私から見ると、やることすべてが、全部、行き当たりばったりという株式会社“岸田”。投資を検討するのにも値しない…というのが本音です。
これで本当に所得倍増なんてできるのか?ということです。所得倍増するのには、企業が儲からないとできません。儲かるとみんな思っていますか?思っていないよね(笑)。これ、どうするんだ?と思います。
何も考えていないのに等しい。岸田さん、あなたは干されていた時期に何をやっていたのですか? 準備なんか何もしていませんでしたよね。
私は 当メルマガ 当メルマガ で「日経平均は実力と比較して安すぎるから買いだ」と言っているだけの話で、これを永続する力を持っていると私は思いません。だって、肝心な日本で儲けられないじゃん。儲けているのは海外でしょ(笑)。
マーケットの長期的視野
1年間の金利は、去年は5月と8月に底を打ち、11月に頭を打ったということになります。このうち、11月は資金需要のピーク、5月は春先からの資金需要が一巡、8月は夏休み、ということになります。
この辺はまた何度も説明すると思いますので、割愛します。こういう流れが金利市場においてはあるということが長期的な条件と考えていきます。
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マーケットの短期的視野
しかし、今年の場合、2月に0.25の利上げはほぼ確実になっていますので、金利は11月から5月、8月まで下げるものですが、短期的には2月2日にむけて上昇するということがわかります。
ただし、それは大きなダウントレンドの中での戻り、という意識でいなければいけません。金利の需給は住宅ローン、そして物価の動向などが決定要因になります。そのほか、アメリカの債務上限問題もあります。これは国債の新規発行がおそらくあまりされないという意味になります。
いろいろな点がありますが、名目金利であるFFレートを0.25上昇させるのはほぼ確定しているわけですから、金利は上昇するのでしょう。
問題はそれがいつから起こるか?です。
住宅指標は弱いのですが、住宅ローンが下げ止まり兆候を示している。政府債務上限というのは、国債の新規発行の抑止につながります。新規の政府の資金調達がないということは金利下落原因、と考えることができます。
こういうことを考えると目先、はっきりとしているのはFFレートの上昇ということだけであり、根本的には金利は押し目買いになる公算が高いということです。
そして「ドル × 金利 = ドルインデックス」とお話をしていますが、そのドルは雇用で、雇用は継続支給者が若干増えていますが、全般は強いわけです。ドルはしっかりして、金利でわかっているのはFFレートだけ。そう考えると、いつまでも外資の0.5破り売りで、円高と言っている場合でもないでしょう。
しかし、長期で見れば、金利は下がるのですから、円高でしょうね、ということになります。ドル安傾向で、株価や資源などが大きく下がるか、という問題です。ここに需給が加わり、買う人がいなくなると急落するのです。ないしは去年が基準価格になるのですから、去年の価格が下がっているところが、今年も下がるポイントになります。
説明している私がこれでわかったかな?と思うのですから、まだ難しいと思います。ですから、何度も説明していきますので、ご安心ください。
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『
角野實のファンダメンタルズのススメ
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』(2023年1月23日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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