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日本経済復活の起爆剤「二次電池」で成長が見込める企業5社とは?割安・好配当銘柄多数で長期投資家から熱視線=田嶋智太郎

東京ビッグサイトで「スマートエネルギーウィーク(春)」と銘打ったイベントが開催されている。今回出展している企業のなかから、とくに『二次電池展(通称バッテリージャパン)』に出展している予定のいくつかの企業にスポットを当てたい。その多くが、足元で順調に収益を伸ばしながら、二次電池に関わる様々な研究・開発を進めており、中長期的に一段の成長・発展が期待できる企業であると考える。(『 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 』田嶋智太郎)

【関連】電気自動車でも日本勢が覇権を握る理由。動力装置「eアクスル」で急成長する日本企業5社とは?=田嶋智太郎

※本記事は有料メルマガ『田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット』2023年3月17日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:田嶋智太郎(たじま ともたろう)
慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券勤務を経て転身。転身後の一時期は大学教諭として「経営学概論」「生活情報論」を担当。過去30年余り、主に金融・経済全般から戦略的な企業経営、地域金融機関改革、引いては個人の資産形成、資産運用まで幅広い範囲を分析研究。民間企業や金融機関、新聞社、自治体、各種商工団体等の主催する講演会、セミナー、研修等において、累計3,000回超の講師を務めてきた。これまでに数々のテレビ番組へのレギュラー出演を経て、現在はマーケット・経済専門チャンネル『日経CNBC』のレギュラー・コメンテーターを務める。主な著書に『上昇する米国経済に乗って儲ける法』(自由国民社)などがある。

「二次電池」関連の研究・開発の進展に中長期的な期待

15日〜本日17日まで、東京ビッグサイトで「スマートエネルギーウィーク(春)」と銘打ったイベントが開催されている。世界最大級の新エネルギー総合展であるこのイベントは、水素・燃料電池、太陽光発電、二次電池、スマートグリッド、洋上風力、バイオマス発電、ゼロエミッション火力などあらゆる技術を持った企業が出展し、世界各国から専門家が来場する展示会として回を重ねてきた。

筆者も一昨年、昨年に引き続いて足を運ぶ予定であり、その前に今回出展している企業のなかから、とくに『二次電池展(通称バッテリージャパン)』に出展している予定のいくつかの企業にスポットを当てて、訪問前の予習をしておくこととした。

その多くが、足元で順調に収益を伸ばしながら、二次電池に関わる様々な研究・開発を進めており、中長期的に一段の成長・発展が期待できる企業であると考える。

そんな企業のいくつかを以下に挙げておくので、参考にしていただきたい。

日本特殊陶業<5334> 大幅に過去最高純益更新!好配当も魅力

今回は、同社が開発する「高リチウムイオン伝導性 酸化物固体電解質材料」と本材料を適用した「酸化物系非焼結型固体電池」などが展示される。

同社は、自動車用プラグ、排気系センサーでシェアが世界一というグローバルニッチトップ企業。自動車関連以外では、工作機械用切削工具、半導体製造装置用部品などのセラミック関連、メディカル関連も手がける。また、将来に向けた新規事業として燃料電池などの研究開発にも積極的に取り組んでいる。

足元は、半導体関連が市況減速でも依然として活況。また、自動車生産が徐々に回復し、プラグ、センサーも勢いを増し始めている。23年3月期は、売上高が前期比19.1%増の5858億円、営業利益は同48.6%増の1122億円、純利益は同41.2%増の850億円と過去最高を大幅に更新する見通し。24年3月期も半導体関連がなお高水準で推移し、自動車向けの復調もあって連続最高純益更新となることが見込める。

日本特殊陶業<5334> 週足(SBI証券提供)

株価は、一目均衡表の週足「雲」上限を下値サポートに、目先は調整含みながら、現在水準は予想PER=6.77倍、実績PBR=1.06倍、予想配当利回り=5.95%と、かなり割安な水準にあり、期末に向けて配当取りの動きも見られよう。

Next: 業績好調!「二次電池」業界をリードする期待の日本企業とは?



日立造船<7004> 高性能な全固体電池の開発に期待

今回は、全固体リチウムイオン電池『ASーLiB』のほか、宇宙に打ち上げた全固体電池・軌道上実証装置の模型などを出展している。

同社は、21年3月の二次電池展で、当時、世界最大級の容量1000ミリアンペア時と同社の従来品から約7倍に拡大した全固体電池を発表して話題となった。

足元は、国内外でゴミ処理プラントの受注が着実に舞い込んでおり、工事も順調に進んでいる。23年3月期は、売上高が前期比8.6%増の4800億円、営業利益は同28.7%増の200億円、純利益は同51.9%増の120億円と、大幅増益を見込んでおり、24年3月期もプラントの豊富な受注残を消化するほか、半導体設備装置が堅調で増益が続く見通し。

日立造船<7004> 週足(SBI証券提供)

株価は、長らく1,000円手前の水準で上値を押さえられ続けており、当面は同水準を明確に上抜けるかどうかが重要な焦点となる。現在は予想PER=12.19倍、実績PBR=1.10倍の水準にあり、割高感は感じられない。

東陽テクニカ<8151> EV向け急速充電評価装置などが好調。好配当利回り

今回のイベントには、二次電池の幅広いラインナップを揃えた充放電システムや電池材料の研究・開発に必要な電気化学測定機器(仏Bio-Logic/バイオロジック社製の電気化学測定システムなど)を展示。

同社は、はかる(測定)技術を提供する技術商社で、計測機器・技術の輸入販売を事業ベースとする。二次電池や燃料電池など近年注目されているエネルギーデバイスにおける研究・開発に使われる計測と解析に関する機器やソリューションも提供している。

足元は、次世代電池開発用の測定装置やEV向け急速充電評価装置の好調が続く。また、エネルギー分野は、次世代電池関連や急速充電評価装置に加えて、エアモビリティ向けの計測事業も進行している。

東陽テクニカ<8151> 週足(SBI証券提供)

23年9月期は、売上高が前期比7.6%増の285億円、営業利益は同11.5%増の26億円、純利益は同4.2%増の20億円を見込む。年間配当は前期から2円増配の52円を予定しており、配当利回りは4%弱と高めの水準になる。

Next: まだある「二次電池」関連で成長が見込める企業、投資するなら?



日本電計<9908> 15日に昨年来高値を更新!

今回のイベントでは、セル/モジュール/パック用充放電試験装置を展示している。

電子計測機器を中心に扱う商社で、自動車関連を筆頭に産業機器や半導体関連などの開発工程で必要とされる装置・機器類を取り扱う。

足元は、自動車メーカーの活発な設備投資が追い風となり、電子計測器の需要が旺盛。23年3月期は、売上高が前期比8.9%増の1,000億円、営業利益は同27.6%増の34億円、純利益は同11.0%増の25億円と、最高純益更新を見込んでいる。24年3月期も電子計測器伸び、利益は続伸すると見られる。

日本電計<9908> 週足(SBI証券提供)

配当性向35%を会社方針としており、配当利回りは4%弱と高めで、予想PER=8.46倍、実績PBR=0.91倍の現在株価は割安と言える。

三菱鉛筆<7976> 10日に昨年来高値を更新!

ご存じのとおり、筆記具の代表メーカー。筆記具の開発で培った分散技術を様々な産業用途 へ提供し、技術のオープンイノベーションも進めている。今回のイベントでは、二次電池向けに「材料の調達」、「サービス提供」などを提案(燃料電池セパレーター、電池向け CNT 分散スラリー、電池向け PTFE 材料、電池向けス ラリー・塗工の開発・受託、電磁波吸収材料、立体カーボン製造技術など)。

足元は、柱の『ジェットストリーム』が国内と東アジアで快走。また『ポスカ』も欧米で伸長している。23年1月からデスクマットとファイルを平均20%程度値上げ。国内のボールペンなどが法人向けノベルティとインバウンドで拡大を続けている。

三菱鉛筆<7976> 週足(SBI証券提供)

23年12月期も増収増益を見込んでおり、足元の株価に割高感はない。10日に昨年来高値を更新する動きとなり、以降は目先的に調整含みとなっているところが興味深い。

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image by:Owlie Productions / Shutterstock.com

田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 田嶋智太郎の先読み・深読み!株式マーケット 』(2023年3月17日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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