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インデックスファンドより面白い、独立系投信を“5つのP”で徹底比較!ひふみ・スパークス・鎌倉…あなたが買うべきは?=佐々木悠

“アクティブファンドはインデックスファンドには敵わない”……投資を勉強したことがある方なら聞いたことがある言葉だと思います。しかし、すべての投資信託がインデックスのパフォーマンスを下回るかと言えば、決してそうではありません。今回紹介する投資信託は、いわゆる独立系と分類される運用会社が扱っているものです。スパークス(厳選投資)・鎌倉投信(結い2101)・レオス(ひふみ)の3社を紹介しながら、アクティブファンドの魅力と選定のポイントを解説します。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』佐々木悠)

プロフィール:佐々木悠(ささき はるか)
1996年、宮城県生まれ。東北学院高校、東京理科大学経営学部卒業。協同組織金融機関へ入社後、1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。前職では投資信託を用いた資産形成提案や多重債務者への債務整理業務に従事。2022年につばめ投資顧問へ入社。

「アクティブファンドはインデックスファンドには敵わない」?

“アクティブファンドはインデックスファンドには敵わない”……投資を勉強したことがある方なら聞いたことがある言葉だと思います。

手数料が高く、パフォーマンスが出ていないファンドが多いことも事実です。しかし、すべての投資信託がインデックスのパフォーマンスを下回るかと言えば、決してそうではありません。

確かに、玉石混交である多くのファンドの「平均」を取ってしまえばインデックスに敵わないのですが、なかには長い期間インデックスを上回り続けている傑出した投資信託もあります。何より、アクティブファンドを比較・評価すると会社の思いやファンドマネージャーの考えが垣間見えてきます。アクティブファンドに投資する魅力としては、そういった「哲学」に共鳴する点もあるのです。

投信を評価する考え方に「5つのP」というものがあります。この考え方を軸に、アクティブファンドの面白さを解説します。インデックスに飽きてしまったあなたの参考になれば幸いです!

販売会社系と独立系投資信託

投資家からお金を預かり運用する会社を運用会社といいます。今回紹介する投資信託は、いわゆる独立系と分類される運用会社が扱っているものです。

代表的な独立系運用会社はさわかみ投信・コモンズ投信・セゾン投信などが挙げられます。

明確な対義語はありませんが、独立系ではない運用会社は野村アセットマネジメント・大和アセットマネジメント・楽天投信投信投資顧問など証券会社(販売会社)とセットの企業を指します。

独立系運用会社の面白いところは明確な意志がある事です。それぞれの投資哲学や考えが投資先の選定に反映され、それぞれの特徴に差がでています。

今回はスパークス(厳選投資)・鎌倉投信(結い2101)・レオス(ひふみ)の3社を紹介します。

投信の評価軸「5つのP」

ファンドを選ぶ上で大切な考え方があります。

それが5つのPです。Pはキーワードの頭文字からきています。

1. Philosophy(投資哲学):最も大切。ファンドの根幹となる考え方。あくまで「哲学」なので、スッと腹落ちするものとそうでないものがある。PhilosophyがPeopleやProcessに反映されているかを考える

2. People(人材):ファンドマネージャーの考え方は投資哲学と乖離がないか、人員交代の頻度は高くないか

3. Process(投資プロセス):銘柄選定方法に納得できるか、運用の基準が明確であり、リスク管理ができているか

4. Portfolio(ポートフォリオ):Processを経た結果どんな企業に投資しているか

5. Performance(パフォーマンス):Portfolioの結果、投資成績はどうなっているか

あなたが投資信託を選ぶうえでとても参考になるはずです。5Pの観点でファンドの特徴を見ると、投資方針や調査方法に明確な差があることが分かります。実際に3種(厳選投資・結い2101・ひふみ)のファンドを見てみましょう!

洗練されたスパークスの「厳選投資」

まず紹介するのは、スパークスの新・国際優良日本株ファンド(厳選投資)です。

中長期的な成長を目標に積極的な運用を行うファンドです。早速5Pの観点で分析します。

<投資哲学>

高い技術力やブランド力があり、今後グローバルの活躍が期待できる日本企業を中心に投資する。「マクロはミクロの集積である」の考えのもと、ボトムアップアプローチ(企業の財務・経営状況などを一社ずつ細かく分析し、投資対象を選定する方法)で投資対象を策定。

<人材>

15人の充実したアナリスト体制、藤村忠弘ファンドマネージャーの考え(以下参照)。

企業を一つ一つ、じっくりと見て良い会社に投資することが目標

※出典:大切なのは調和、そして貢献──23年間で2,000社超を取材した男が説く、唯一無双の投資哲学 – Forbes JAPAN(2022年527日配信)

<投資プロセス>

経営者との面談などを経て少数精鋭で直接企業に赴くことで調査の深度を深めていく。経営者とアナリストの1:1で取材をする。

多くの機関投資家が「来期の売上高目標は?」など短期の質問が多い中、スパークスは企業の成り立ちや商品の強みなど、基礎的・本質的な質問を行う

投資環境の分析、期待リターンとリスクについて月に2回の投資製作委員会で意思決定。

<ポートフォリオ>

純資産総額は1,446億円。29銘柄へ投資中。

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出典:1月31日現在 マンスリーレポート

<パフォーマンス>

2008年運用開始

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出典:23年1月31日現在 マンスリーレポート 22年12月24日 目論見書

5Pの観点で分析すると、企業調査に対する真剣さが伝わります。パフォーマンスも過去3年間はTOPIXを下回っていますが、設定来(2008年〜)では大きく上回っています。

投資哲学が分析、パフォーマンスに反映されているファンドだと感じます。

個人的にスパークスの投資哲学や調査方法に信頼感があると思います。また、月次レポートには市況やファンドの運用方法が詳しく記載されており、個別株の分析としても参考になります。

Next: 鎌倉投信の5Pは?温かい心が滲み出る投資信託「結い2101」の強み

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