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年末特有の需給と季節性にどう備えるか?[FXアノマリー徹底解説シリーズ]

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一年の終盤、12月相場にはどのような季節性の傾向(アノマリー)が存在するかご存知でしょうか? 株式・為替を問わず、12月は「特別な月」として多くの投資家に意識されてきた背景があります。今回は、12月相場に見られる主要なアノマリーとその要因、実際の過去データから見えてくる特徴を解説していきます。

12月は波乱含みの月?

3月が荒れやすい月として広く知られている一方で、12月もまた、年間を通して相場が大きく振れやすい月のひとつとされています。特に12月相場は「方向感のなさ」が際立ち、一方向にトレンドが出にくいまま乱高下が頻発する傾向が見られます。これは短期トレーダーにとってリスク要因となり得るため、注意が必要です。

●12月上旬(前半)
年内最終売買へ向けて取引が活発化し、短期筋を中心に値動きが鋭くなる場面が増加。

●12月中旬以降(後半)
ボラティリティが急激に低下しはじめ、値幅はあるものの伸びない相場に変化。

この変調の背景には、「メジャーSQ(特別清算指数)」の通過と、国内外の機関投資家が年末休暇に入ることが影響しています。特にポジション調整やリバランスが集中し、市場の流動性が低下する局面に差し掛かるため、注意が必要です。

▼日米の2025年メジャーSQスケジュール
日本:12月11日(金)
米国:12月18日(金)

米株市場で定着する季節性「サンタクロース・ラリー」

12月後半になるとよく取り上げられるのが、米国株市場における「サンタクロース・ラリー」です。これはおおむね12月20日以降から年明けにかけて株価が上昇しやすい傾向を指します。

年末のこの時期には、前半に出やすい損失確定売り(タックスロスセリング)が一巡し、売り圧力が和らぐことから、新規買いや買い戻しが増加しやすくなるとされています。歴史的にも米株市場ではこのアノマリーが頻繁に見られており、投資戦略においても意識されるタイミングです。

日本市場における年末の風物詩「掉尾の一振」

日本株市場にも12月独自のアノマリーがあります。それが「掉尾の一振(とうびのいっしん)」と呼ばれる現象です。年末最終営業日(大納会)にかけて株価が上昇しやすいという傾向を示します。

この背景には、次のような需給要因が絡んでいます。

  • 投資信託や企業によるドレッシング買い(期末の見栄え調整)
  • 年金運用機関(GPIF等)のリバランス買い
  • 配当・権利落ち後の需給調整

こうした年末特有の需給が重なることで、「締めくくりの買い」が入りやすくなり、結果として相場が堅調に推移しやすい構図が形成されます。

12月相場の全体像

12月の相場は、上旬・中旬・下旬で動き方に明確な差があることが特徴です。

時期 特徴
上旬 売買活発。短期売買が盛んで上下動が激しい
中旬 メジャーSQ通過後、流動性が低下。伸びない乱高下が増加
下旬  米国はサンタラリー、日本は掉尾の一振。需給で強含みやすい

 

このように12月相場は「荒れやすく、かつ方向感が読みづらい」前半と、「季節性の買いが入りやすい」後半に二分されます。月内で相場の性質が変化する点を踏まえた戦略構築が求められます。

【統計データ】過去14年間の12月の為替変動(米ドル/円、ユーロ/米ドル)

米ドル/円の平均変動幅:453.35pips(過去14年の12月データ)

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source: FX雑誌『外国為替』

2022年~2024年の直近3年間は特に大きな変動を見せており、12月でも大相場が起きうるリスクを意識しておく必要があります。

ユーロ/米ドルの平均変動幅:384.26pips(過去14年の12月データ)

gaikokukawase-20251203-2

source: FX雑誌『外国為替』

年後半はややボラティリティが低下傾向にあるものの、12月は突発的な動きが生じやすく、動意づく可能性が残る局面です。とくに最終週は流動性が枯渇しがちで、ほとんど値動きがなくなる年もあるため、取引を控える判断も一案です。

為替市場の注目アノマリー|NZドルは年末に強含みやすい傾向

11月のアノマリー解説でも触れたように、NZドル/米ドル(NZD/USD)は年末にかけて陽線となる傾向が過去データから確認されています。

■関連記事
・なぜ11月が「ポジション整理の月」といわれるのか?[FXアノマリー徹底解説シリーズ]

特に11月が陰線で終わった年には、12月に反発しやすいという特徴があり、需給や貿易サイクルの要因と相まって、オセアニア通貨全体にも買いが入りやすくなる時期といえるでしょう。

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【まとめ】12月は「流動性と需給」が主導する相場

12月は年間の締めくくりとして需給面での変動が大きくなりやすい月です。ボラティリティの高さに惑わされることなく、

  • 前半の乱高下と方向感のなさ
  • 中旬の急変調
  • 後半の買い需要による持ち直し

といった流れを意識して、アノマリーに過度に依存せず、リスク管理を徹底することが重要です。

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