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ドミノ・ピザで“生地に鼻くそ”バイトテロ。即日謝罪の爆速対応に称賛の声も、遠因は過去炎上時にも取沙汰されたキャンペーン頻発による現場の疲弊か

ピザ宅配チェーン「ドミノ・ピザ」のとある店舗で撮影されたとされる、いわゆる“バイトテロ”動画が拡散していた件で、同チェーンを展開するドミノ・ピザ ジャパンが謝罪の意を表する文章を公開している。

渦中の動画は約15秒ほどで、従業員の男性がピザの生地の前で、左手の人差し指で鼻をほじった後、左手中指で生地に触れる様子が写されているもの。

ドミノ・ピザ ジャパンによれば、店舗は尼崎店(兵庫県尼崎市)で、営業終了後の2月12日午前2時ごろにアルバイト従業員によって撮影されたという。生地は商品として提供されることはなかったといい、廃棄処分にしたとのことで、また当該店舗は12日付で営業停止としたという。

同社は今回の件に関し、「お客様におかれましては、ご不快な思いとご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます」などと謝罪するとともに、関与した従業員に関しては「就業規則にのっとり、厳正に処分する予定」「法的措置を検討中」としている。

即日謝罪の爆速対応に称賛の声も…

2023年は“醤油ペロペロ”“寿司テロ”といった、客による迷惑動画によって各店舗やチェーンが大きな被害を被るといった事例が多発したのだが、そのいっぽうで2010年代前半ごろから取沙汰されるようになり、“バイトテロ”という新語が生まれるほど問題視されるようになったのが、今回のようなバイト等の従業員による迷惑動画禍。

不特定多数の来客者による迷惑動画ですら、ことごとく犯人が特定されるに至り、高額な損害賠償を求める訴えを起こされたり、あるいは逮捕に至るといったケースも多発するなか、今回のようなバイトテロの場合は、会社側が映像を見さえすれば、従業員である犯人はすぐに特定される可能性が高いというのは、ちょっと考えれば分かりそうなもの。

にもかかわらず、この手の話がかれこれ10年以上にわたり断続的に取沙汰されることに対して、SNS上では「なんでやっちゃうんだろ?」「目立ちたさが全てに優先するんだろうか?」などと、今回も呆れる声が噴出している状況だ。

いっぽうで今回の件に関しては、12日午前2時ごろの犯行だったにもかかわらず、その後の動画拡散からほとんど時が経っていない同日午後10時過ぎには、ドミノ・ピザ ジャパン側から謝罪と従業員の処分方針などの公表があったということで、その迅速かつ爆速な対応に称賛の声もあがっているところ。

ただ近年では、いくら社内教育を徹底させたとしても完全な根絶は困難なバイトテロに対し、もはや避けられないリスクであると捉える会社も増えているようで、現にネット上の風評監視サービスを行なう会社からは、食品・飲食業界向けに炎上リスクがある投稿を検知・報告するといったサービスが登場し、また損害保険業界では、バイトテロなどのトラブルに対応する特約を提供する会社も出ているようだ。

ドミノ・ピザ ジャパンが、上記のようなサービスを活用しているかどうかは分からないが、少なくともいつ起こるかわからないバイトテロに対して、前もってしっかりと備えていたであろうことは、今回の素早い対応からも大いに窺えるところだろう。

“2枚目100円”キャンペーン中に起こった不祥事

今回渦中のドミノ・ピザに関しては、数年前にはサイズ間違いにより再配達されてきたピザが、特にオーダーをしていない大量の青唐辛子が乗った激辛仕様だったという事案が発生し、SNS上での騒ぎを受けてドミノ・ピザ ジャパン側が謝罪に追い込まれるといった出来事もあった。

【関連】大量の“青唐辛子乗せ”で謝罪のドミノ・ピザに囁かれる「スシローの二の舞」。急拡大路線の真っただ中もそれに追いつかない従業員の質

店側は特に嫌がらせの意図はなく、サービスのつもりだった……と弁解していたこの件なのだが、その反面でネット上では、ドミノ・ピザ各店舗における慢性的な人手不足にくわえ、例えば“Lサイズピザを買うとMサイズが2枚無料”などといったキャンペーンを高頻度で行ったことで、キャパオーバーとなった現場がすっかり疲弊してしまっていることも、うっぷん晴らし的なバイトテロ発生に繋がっているのでは……といった、ドミノ・ピザ ジャパン本体への批判もあがったことも記憶に新しい。

そういった点で言えば、目下のところドミノ・ピザでは、好きな1品をご注文すると同カテゴリーの商品をもう1品“100円”で買えるという「ドミノの¥100WEEK!」なるキャンペーンを、2月8日~18日の期間限定で開催している最中。

仮にもし今回のバイトテロも、上記のキャンペーンによって疲弊した従業員らが、まともな判断能力を失った上で及んだ行為だとすれば、ドミノ・ピザ ジャパン側としてはまさに“同じ轍を踏む”格好となったわけで、バイトテロ発生時の対応を迅速化する以前にやるべきことがあるのでは……といった批判も噴出しかねないところだろう。

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Image by:Ned Snowman / Shutterstock.com

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