セブン&アイ・ホールディングスが、カナダのコンビニ大手「アリマンタシォン・クシュタール」から買収提案を受けたとの報道が、大きな波紋を呼んでいる。
セブン側は、「クシュタール社から内密に、法的拘束力のない初期的な買収提案を受けていることは事実」とし、この提案を検討するために独立社外取締役だけの特別委員会を立ち上げたということで、同委員会の答申を踏まえて受け入れるか否かを回答するという。
またアリマンタシォン側も、拘束力のない友好的な提案を先ごろ提出したと発表している。
セブン&アイの時価総額は、16日時点で約4兆6000億円。これを完全買収するには、少なくとも5兆円以上の資金が必要ということで、仮に実現すれば海外企業による日本企業買収としては最大級となる見通しだという。
買収提案を拒否ならTOBに発展も
近年のセブン&アイといえば、百貨店のそごう・西武は投資ファンドに売却し、さらにイトーヨーカ堂は不採算店舗の整理が進行中で、収益力の高いコンビニ事業への集中が顕著といった状況。
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そんなセブン-イレブンだが、2024年7月末現在の国内店舗数は2万1592店を数え、まさに全国各地の都会から田舎までどこにでもあることから、もはや「街のインフラ」であるとの声も多数。そんなセブンが、下手をすると外資の手に渡ってしまうかもしれない……という話なだけに、多くの人々の間で衝撃が走ることに。
実際セブン&アイ株の値動きは、先月発表された2024年3〜5月期の連結決算で純利益49%減と伝えられたこともあり、このところは下降ムードだったのだが、買収話が持ち上がった19日午後には一転して大いに買われ、同日の終値はストップ高となる前週末終値比400円(22.7%)高の2161円に。さらに連想買いとして、セブン銀行の株価も俄かに高騰する展開となった。
今回セブン&アイに買収話をもちかけたアリマンタシォン・クシュタールだが、本国カナダどでは「クシュタール」というブランドのコンビニを、また過去に日本国内にも存在していた「サークルK」ブランドのコンビニも、世界各国で展開している。
そんな同社だが、数年前にはフランスのスーパー大手「カルフール」の買収にも乗り出したこともあるなど、世界各地でM&Aを繰り返すことで、事業規模を拡大させていったという経緯も。
そのため今回、仮にセブン&アイ側が買収提案を拒否した場合、いわゆる敵対的TOBに乗り出す可能性も大いにあるというのだ。
上げ底容器問題の解消を期待する声も
このように、ここ最近の業績の悪化による市場価値の低下にくわえ、折からの円安もあって、海外勢からすればいうなれば“買いごろ”といった状況となっていたセブン&アイ。
いっぽうで消費者にとっても、常日頃から利用しているセブン-イレブンなどを擁するセブン&アイを巡る買収話なだけに、興味津々といった今回の件なわけだが、仮に外資に買われた場合に、どのような変化が生じるのか……といった点は、多くの人にとってやはり気になるところ。
なかには、近年のセブンにおける“悪しき代名詞”となっている相次ぐステルス値上げや、上げ底容器の問題などが改善されるのでは、といった期待を抱く声もかなりあがっているよう。
サークルKなどを経営するカナダのコンビニ大手がもしセブン買収したら底上げ問題とかなくなるん? pic.twitter.com/cDwn587ZDv
— めがねちゃんぬ (@circlecirclekun) August 19, 2024
セブン買収であのケチくさい商品のステルス値上げ改善してくれ〜〜〜
— 白苫 (@4rotoma) August 19, 2024
セブンイレブンの弁当の優良誤認パッケージは人道に対する罪なのでカナダの会社に買収してもらったあかつきには開発者と責任者を巣鴨プリズンにぶち込んでほしい
— カニミソ美味しい (@kanimake) August 19, 2024
【関連】セブン、今度はおにぎりへの“海苔の詐欺印刷”疑惑が浮上。いっぽうでセブンカフェの量が減っているとの報告も噴出中と相変わらずのケチケチぶり
どうやら外資に買収されることで、一連のステルス値上げなどを推進してきた現経営陣が、一掃されることを待ち望んでいるフシがあるようで、“上げ底弁当”の恨みはかなり根深いことを感じさせるこれらの意見。
ただ、実際のところはそういった改善どころか、劣化は必至だろうといった見方も多く見られるところ。セブン-イレブンにしても元々はアメリカが発祥であるものの、日本において商品・サービスともに独特かつ目覚ましい進化を遂げてきた経緯があるわけだが、それが外資に買われることで、あらゆる品質が落ちてしまうのでは……と危惧する向きも多いようだのだ。
セブン買収されると製品やサービスがグローバル規格になって悪くなるんじゃなかろうか。買収諦めるくらい株価上がって欲しい。実態より過小評価されてる日本企業多いと思うよ。 https://t.co/JGEqWso5pb
— ねこきち (@nekokichi_inv) August 19, 2024
セブン買収されたら底上げ問題無くなるとかバカな事書いてる奴多いけど、そもそもコンビニ弁当っていうのは手早いだけで割高だし何を求めてんだ?って思うわ。
コスト高の中色んな企業が苦労してるのも分からないんだろな。
ちなみに買収されたらサービス品質もっと落ちるだろ、日本企業なんだから— dodge(ダッジ) (@dodgekun) August 19, 2024
奇しくも今年は、セブン-イレブンの1号店が東京・豊洲にオープンしてから50年目。そんな節目の年に持ち上がった今回の買収話の行方を、投資家のみならずユーザーも固唾をのんで見守っているといった状況のようだ。
Next: 「ローソンは外資からの買収をさせないためにも…」
ツイッターの反応
為替を考えると「乾坤一擲やるならいましかねえ」という判断なのだろうと思うが、これは驚き:セブン&アイに買収提案 カナダのコンビニ大手 – 日本経済新聞 https://t.co/ctZ8ep0Voq
— Munechika Nishida (@mnishi41) August 19, 2024
サークルKを世界的に展開している会社の親会社がセブン&アイを買収しようとしているのか…!
もし万が一セブンイレブンがサークルKになったとしてもそれはあの「名古屋のユニーがやっていたサークルK」ではないんだけど
日本じゅうのセブンがサークルKになる世界は見てみたい https://t.co/xZ34p5ckJX pic.twitter.com/kgmU2TR637
— TOPPY 川合登志和 (@toppy_net) August 19, 2024
凄いニュースが飛び込んできた。まだ提案レベルだがセブンが買収されたら国のインフラを任せていい会社になるか分からなくなる。もしかしたらローソンは外資からの買収をさせないためにも上場廃止したのかとも思わされる。 https://t.co/vi7ahlSDaV
— aries (@aries3t) August 19, 2024
今日のセブン&アイの買収提案のニュースを見て、今後もこう言う事案は増えて行くんだろうなと思う。
日本株は割安で優良企業も多く、財務も健全。かつ円安により外国人投資家から見ればさらに割安に見える。…
— かぶ1000 (@kabu1000) August 19, 2024
セブン&アイ・HDが外資に買収されかかってるのに、上げ底弁当の恨みで誰にも心配されずにさっさと買収されろとか言われてて笑う
セブンイレブンなくても困らんしな・・— あ (@pm60080) August 19, 2024
セブン買収の報道を見て、日本人の個人投資家もオルカンやS&P500ばかり買わずに日本の個別株を買うようになってほしい。
— 弐億貯男 (@2okutameo) August 19, 2024
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