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イトーヨーカドー、北海道・東北・信越地方から撤退へ。止まらぬ閉店ラッシュに殺到する「ポッポだけでも残してくれ」との懇願

このところ“閉店ラッシュ”が取沙汰されているイトーヨーカドーだが、青森県においては今年9月までに、県内の全4店舗がすべて姿を消すことが分かった。

地元メディアの報道によれば、青森店が2024年7月に、弘前店が9月をめどに撤退する見通しだと判明。すでに八戸と五所川原の店舗も撤退することが発表されているため、県内の4店舗がすべて無くなることになるようだ。

青森では地元紙が“号外”を出す事態に

不振が続くイトーヨーカドーの構造改革をさらに進めるため、昨年3月には2026年2月末までに33店舗を閉鎖すると発表していたセブン&アイ・ホールディングス。

首都圏など都市部中心の体制に移行する方針だとみられ、ここ数日で“整理対象”となる具体的な店舗名が、ボツボツと明らかになっている状況だったのだが、9日午後になって、先述の青森県どころか北海道と東北地方、さらには信越地方の店舗が閉鎖対象であることが判明と、各メディアが報じるに至っている。

いっぽうで、地元のイトーヨーカドーがすべて撤退することが、先んじて判明した青森県内では、地元新聞社が“ウェブ号外”を出すほどの大きな関心事となっているよう。

特に弘前店に至っては、地上8階・地下1階建ての建物に食料品に衣料品はもちろんのこと、1階には地元バス会社のターミナル、さらに飲食店街も充実とデパート並みの規模を誇る、弘前市を代表するショッピングセンターだっただけに、「信じたくない」「市民の憩いの場所なのに」「バスターミナルはどうなる?」などと、地元住民からは悲しみと今後の不安を訴える声が多くあがっているところだ。

いっぽう、青森県内で閉鎖される4店舗のうち、青森・弘前の2店に関しては、OICグループが事業を継承すると発表され、今後恐らくは食品スーパーの「ロピア」に転換される模様。

このように従業員の雇用はなんとか継続されるよう、配慮はされているようなのだが、とはいえ「GMSの地方出店で個人商店が駆逐され…」といった、以前から度々取沙汰されるような見方がいまだ根強く存在するのも事実で、それだけに今回の撤退劇に対して「自分勝手」だと断じる声も少なくないようだ。

「ポッポ」の行く末を案ずる声も多数

このように、イトーヨーカドーの閉店ラッシュがいよいよ現実味を帯びていくなかで、ともに消えゆくものとして借別の声が多くあがっているのが、イトーヨーカドー利用者なら誰もが知る「ポッポ」の存在だ。

1976年に1号店がオープンしたファストフード店「ポッポ」は、ラーメン・ソフトクリーム・今川焼き・ポテトなどといった軽食を主力商品とし、イトーヨーカドーのフードコートを中心に続々と出店。買い物帰りのお客さんが一息入れる場として、さらに安価なメニューが多いことから、近隣の中高生らが下校時に寄るたまり場として、各地で愛されてきたのだ。

そんなポッポだが、2008年4月時点では全国で145店舗を展開していたということだが、しかしそれ以降は苦境に陥り、10年間でおよそ80店舗が閉店したとの話も。

また同店サイトの店舗一覧を見てみると、現時点ではもっと減って37店舗ということで、退潮が止まらないといったところなのだが、そんな現存店のなかには、今回閉鎖が発表された北海道・東北・信越地方のイトーヨーカドー内に存在する店が9店舗あり、今後さらに店舗数を減らすのは必至だというのだ。

このような危機的な状況に対して、SNS上では「憩いのポッポが無くなるんですか?」「山盛りポテトやクレープが食べられなくなると思うと本当にツラい」といった悲しみの声が多数あがっているところ。

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もっともポッポ自体は、ここ数年の間でも新オープンするもあるなど、ただただ右肩下がりで店舗数を減らしているわけではなく、また一部店舗ではたこ焼き調理ロボやソフトクリームロボの新導入があったりと、このまま“座して死を待つ”つもりはない様子。SNS上からは「ヨーカドーはしょうがないから、ポッポだけでも残してくれ」と懇願する声まで飛び出しており、ある意味でイトーヨーカドー以上に今後の巻き返しを期待されている存在だと言えそうである。

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