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籠池氏の証人喚問でさらに深まった「疑惑」を安倍総理が晴らす方法=三宅雪子

私は、籠池さんの肩を持つわけではありません。しかし、この話はキーマンである松井府知事はもちろん、昭恵夫人も含め関係者全員の話を聞かないと公平ではありません。(『三宅雪子の「こわいものしらず」』三宅雪子)

※本記事は有料メルマガ『三宅雪子の「こわいものしらず」』2017年3月10日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:三宅雪子(みやけ ゆきこ)
元衆議院議員。玉川学園女子短大、共立女子大学を卒業。テレビ局勤務を経て、2009年群馬4区で民主党から立候補し、比例復活当選。現在は、執筆やネット配信、福祉や介護のアドバイザーなどをしながら政治活動を行っている。

籠池証人の発言にフェイスブックで反論しても疑惑は晴れない

松井大阪府知事と昭恵夫人の証人喚問が必要だ

3月23日木曜日、注目の『森友学園』籠池理事長の証人喚問が行われました。10時からは参議院、15時過ぎからは衆議院です。当初、知人らと傍聴に行きたいと思い、国会に問い合わせました。その段階で、問い合わせだけでそうとうな数になっており、当日どれほどの人が集まるかは想像もできないとのことでした。

今まで、安保法制やTPPなど重要法案の採決は傍聴してきました。傍聴は「予約制」ではありません。行ってみたら座れないどころか入るのも一苦労の時もあります。

ただし、今回(証人喚問)は通常時と違い、証人喚問の一般傍聴の場合、現職議員の紹介が必要になるなど厳しかったようです。結局、傍聴は断念してインターネット審議中継での視聴にしました。

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考えてみたら、私の現職中にはここまで注目を集めた証人喚問はなかったように思います。この事件はまだ「疑惑」の段階です。本来の趣旨は、真相の究明です。

自公(政府与党)は籠池理事長の参考人招致すら反対していたのですが、突然に証人喚問をやろうとなったので、この段階で「何かがあったんだろう」とは推察されたわけです。ただ、それが「何か」はわかりませんでした。

参議院の質問者のトップバッターは西田昌司議員でした。冒頭から籠池さんを犯人扱いで、まるで刑事の事情聴取のようでした。正直、視聴していてこの証人喚問は「悪役づくり」の場なんだなという疑いを持ってしまいました。これは衆議院でも同様でした。

籠池さんにももちろん瑕疵は多くあったと思いますから、籠池さんの肩を持つわけではありません。しかし、この話はキーマンである松井府知事はもちろん、昭恵夫人も含め関係者全員の話を聞かないと公平ではありません

23日はいわば安倍総理の命運がかかった日となったわけですが、ぎりぎりでセーフだったのかも知れません。ご本人(安倍総理)は海外から帰国していたらしいのですが、なぜか欠席(これが許されるのが不思議です)。逆に昭恵さんに対する疑惑は深まった結果となってしまいました。

ちょうど別件でも昭恵さんの私人の立場での口利きが問題になっていたタイミングでしたので、『アッキード事件』と言われるこの事件の色合いは強まりました。

こんな場面でも、籠池さんは決定的なところでは安倍さんを最後に守ったように感じます。『しつこい人』と言われても、根っからの安倍信者なんでしょうね。今後、籠池さんの安倍さんへの気持ちが変わったら、あらたな爆弾発言があるのかもしれません。

Next: 政治家の逃げ口上「秘書が秘書が」から「妻が妻が」へ



「秘書が秘書が」から「妻が妻が」へ

国会のインターネット審議中継を観るのが私の趣味なのですが、最近はそれがかなりつらくなってきました。なぜかというと、野党議員からの質問に対して、安倍総理のキレ方が尋常ではないからです。

妻が妻が!」「レッテル貼りだ!」「犯罪者扱いだ!」…

質問した野党議員が呆気にとられるほどの興奮ぶりです。安倍さんへの質問は当然「内閣総理大臣」たる安倍晋三議員に対するものなんですが、安倍さんは以前からの傾向でそれを個人攻撃と捉えているようなのです。当然そうではありません。

ここにきてそれがさらに顕著になってきたように感じます。まさに「一切の批判許すまじ」といった様相です。気のせいか、最近は立ち振る舞いも独裁者然として見えるような…。

第一次安倍政権の時には、野党からの多少きつい質問でも、現在よりはずっと冷静に答えていたように記憶しています。本来は第一政権時よりもはるかに(与党の)議席数も安定しているので、現在の方が余裕がずっとあるはずですから、そこが不思議なんですよね。

先日、私のネット配信番組に出演してくださった菅直人元総理も同じことを言っていました。まあ、そういう菅さんもかつては「イラ菅」というあだ名もあったわけですが、失礼ながら最近は丸くなったように感じます。

要は歳を重ねれば、普通は穏やかに寛容になっていくものなのですが、なぜか安倍さんは逆なんですよね。

今国会は、夫人である昭恵さんに関しての質問が多いので、なおさらなんでしょうか。連日「妻が妻が!」の大連呼(これが最近、家内、そして昭恵にと変わってきましたが)。自分への批判、夫人への批判のいずれにしても、関係者の批判は許すまじという態度です。

いくら許すまじと総理が思っても、今回の『森友学園』も『加計学園』も、昭恵夫人がかなり深く関与しているという疑惑を持たれていますから、ここばかりは野党も訊かざるを得ません。

訊かれたくないのならば、誤解される行動をまずしない。そして、説明責任をしっかり果たし、証拠となるものを示してその疑惑を払拭することが第一です。質問に怒ってばかりでしっかり答えないので堂々めぐりとなっていますが、一貫して安倍さんが言っているのは「2人とも一切の不正には関与していない」です。

昔は、政治家の逃げ口上と言えば「秘書が秘書が」でした。今は「妻が妻が」です。なんだか時代が変わったなと感じますが、それも昭恵夫人がそれまでの総理夫人と違い、かなり自由奔放な方だからでしょう。それにしても、まさか夫人が政権にこれだけ打撃を与えるとは誰も思っていなかったのではないでしょうか。
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三宅雪子の『こわいものしらず』VOL112(3/24)

・証人喚問
・反省とは
・老いること
・『秘書が秘書が』から『妻が妻が』へ
・断言することのメリット

三宅雪子の『こわいものしらず』VOL111(3/10)

・総理夫人は公人か私人か 2
・生徒の手記
・解散・総選挙
・小金井女子学生刺傷事件
・スピン報道

三宅雪子の『こわいものしらず』VOL110(3/3)

・元気な挨拶が負担?
・総理夫人は公人か私人か
・役所の答弁
・デマの心理学
・永田町恋愛サスペンス小説『議員会館で恋をして』第21話


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三宅雪子の「こわいものしらず」』(2017年3月24日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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3年3ヶ月の与野党国会議員の経験を生かし、三宅雪子独自の語り口で、あたたかみのある中にも、言うことは言う「こわいものしらず」なコラムを展開します。加えて、「教えて!○○さん」「名言・迷言・明言」「永田町コトバ」「ヒトリゴト」「話はそれますが…」など、私的なコンテンツもローテーションでお届けする予定です。

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